友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~
それに、遠くの空を見上げる一之瀬くんの切なげな表情からすると――。

もしかしたらその“ユナ”という人は、もうこの世にはいないのかもしれない。


…勝手に、そんなことを考えてしまった。


だから、もうそれ以上は聞けなかった。



「今日は、ありがとう。楽しかった」

「そう?授業サボって、楽しかったなんて言われるとは思わなかったな」


わたしと一之瀬くんは、屋上から校門までのわずかな距離をいっしょに帰った。


「それじゃあ、わたしは友達と待ち合わせしてるから、ここで」

「へ〜。もう友達できたんだ?」

「違うよ〜。前の学校の友達っ。中学からの親友なの」

「なんだ。仲いい友達もちゃんといるんじゃん」

「まぁ、1人だけだけどねっ」


わたしは、苦笑いを浮かべる。


そのとき、わたしのスマホが鳴った。
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