友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。～ＯＮＥ 史上最強の暴走族～

転校初日になにかなかったかと聞いてくるなんて、万里くんも心配性だなぁ。


そう思いながら、スマホをバッグの中にしまった。　


すると、そのとき――。


「慈美！」


背後から、わたしを呼ぶ声がした。


この…よく通る高い声。


くるりと振り返ると、そこにいたのは天使の輪っかのついた美しい黒髪ロングヘアの美女。

毛先にかけてウェーブのかかった長い髪が、ふわりと風になびいている。


「慈美！久しぶりー！」


そう言って、痛いくらいにわたしを抱きしめた。


そう。

このコが、わたしの中学からの親友の榎本由奈(えのもとゆな)だ。


由奈のことは覚えていた。


それに、忘れるはずがない。

こんなわたしと仲よくしてくれる、唯一の友達なのだから。


由奈の連絡先は、前の壊れたスマホの中に入っていたから、しばらく連絡を取ることができなかった。