呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
第二章 ヘルハウス編
森の中にある邸は真っ暗で何故か背筋がゾワゾワした。
邸は古い建物で、外壁が少し崩れている所もある。
廃墟と廃墟じゃない邸の中間のようだけどまるでヘルハウスそのものだ。
人の住んでいる気配なんて全くない。
見上げると真っ暗な邸の窓にボンヤリと白いものが動く。
アーサー様も怖かったけど、この邸も別の意味で怖い!
━━━━トントン。
ゾワゾワしてると、誰かに肩を叩かれた。
誰でしょうか?
旦那様とロウさんは目の前にいます。
他に誰かいましたかね?
使用人の方が荷物を降ろしに来たのでしょうか?
……使用人はロウさん以外いないと言いましたよね?
━━━━トントン。
……また叩かれました。
振り向くのが怖いんですけど……。
「……だ、旦那様。ロウさん……」
「どうした?」
「後ろに誰かいますでしょうか? し、使用人の方ですか?」
「使用人はいないが……ロウ、リーファに使える部屋はあるか?」
「そうですね……」
旦那様がいつも通り表情を変えず、ロウさんと私の部屋を相談している。
━━━━トントン。
きっと気のせいだと思うが、肩を叩かれたのは気になる。
振り向くの怖いがひたすら肩をトントンされれば、不思議と確認したくなる。
恐る恐る、後ろをゆっくり振り向くと、首から上のない全身甲冑姿の透け透けの人? がいた。
「キャアァァァ!?」
首から上のない人? なんて見たことないー!
私の悲鳴は響き渡り思わず、ロウさんにしがみつく。
「リーファ!?」
「旦那様! ロウさん! お、おおお、お化けです!」
旦那様も、ロウさんも怖くないのか驚く素振りもない。
「リーファ様……」
「何でしょうか!?」
「こういう時はガイウス様に抱きつくものです……やり直しますか?」
「えぇ!? や、やり直しですか!? ど、どこから!? お化けは!?」
「とりあえず……どうぞガイウス様」
どうぞ、と言われてロウさんにヒョイと持ち上げられる。そして、旦那様の前に降ろされた。
「……別にどっちにしがみついてもいいじゃないか……」
「ジィーとリーファ様を見下ろしていたではないですか」
「いきなり悲鳴を上げれば見るだろう」
全身甲冑姿のお化けは、キョロキョロする頭が無いせいか、代わりのように両腕をキョロキョロさせている。
旦那様とロウさんの会話に困惑中らしい。
「旦那様! お、お化けが……!」
「……怖いのか?」
「怖いです!」
「あー……腕にしがみついていいから……」
「し、失礼します……!」
旦那様の腕をちょこんと手で握り、お化けを見た。
やっぱり首から上が全然無いー!
「リーファ、この甲冑は庭を彷徨いているお化けだ。生前は門番でもしていたのだろう。警備のように彷徨いているんだ」
「お化けが門番ですか!? ……だ、男性ですか!? 女性ですか!?」
「……この甲冑お化けを見てそんなことを聞いたやつは初めてだぞ……」
甲冑お化けは、両腕を力こぶを作るような動きをしている。
男性だとアピールしたいのだろうか。
「……だ、男性ですか?」
甲冑お化けは、正解と言うように親指を立てた。全身甲冑姿で身体つきはわからないが、どうやら男性らしい。
「そ、そうですか!?」
「甲冑、妻になったリーファだ。よろしく頼むぞ」
甲冑お化けは、胸に手を当て頭を下げた。
いや、頭は無いけど!
「か、か、甲冑様! よろしくお願いいたします!」
お化けに紹介されたのは初めてです!
お化けに挨拶をしたのも初めてです!
「もう行け。リーファは来たばかりだから脅かすな」
旦那様が、甲冑お化けにそう言うと主人に一礼するようにした後、庭を彷徨きだした。
まさか、邸に着くなりお化けに遭遇するとは……。
「とりあえず、二階の部屋にシーツを準備致しましょう。道中買って来たパンやサンドイッチがあるので、リーファ様と召し上がっていてください」
「そうだな。リーファ、行くぞ」
「は、はい!」
お化けが日常のような旦那様とロウさんはいつもと変わらない。
クール過ぎます!
そして、邸の中も嫌な予感がするけど、旦那様のマントを掴み二人の後をついて邸の中に入ることになった。
邸は古い建物で、外壁が少し崩れている所もある。
廃墟と廃墟じゃない邸の中間のようだけどまるでヘルハウスそのものだ。
人の住んでいる気配なんて全くない。
見上げると真っ暗な邸の窓にボンヤリと白いものが動く。
アーサー様も怖かったけど、この邸も別の意味で怖い!
━━━━トントン。
ゾワゾワしてると、誰かに肩を叩かれた。
誰でしょうか?
旦那様とロウさんは目の前にいます。
他に誰かいましたかね?
使用人の方が荷物を降ろしに来たのでしょうか?
……使用人はロウさん以外いないと言いましたよね?
━━━━トントン。
……また叩かれました。
振り向くのが怖いんですけど……。
「……だ、旦那様。ロウさん……」
「どうした?」
「後ろに誰かいますでしょうか? し、使用人の方ですか?」
「使用人はいないが……ロウ、リーファに使える部屋はあるか?」
「そうですね……」
旦那様がいつも通り表情を変えず、ロウさんと私の部屋を相談している。
━━━━トントン。
きっと気のせいだと思うが、肩を叩かれたのは気になる。
振り向くの怖いがひたすら肩をトントンされれば、不思議と確認したくなる。
恐る恐る、後ろをゆっくり振り向くと、首から上のない全身甲冑姿の透け透けの人? がいた。
「キャアァァァ!?」
首から上のない人? なんて見たことないー!
私の悲鳴は響き渡り思わず、ロウさんにしがみつく。
「リーファ!?」
「旦那様! ロウさん! お、おおお、お化けです!」
旦那様も、ロウさんも怖くないのか驚く素振りもない。
「リーファ様……」
「何でしょうか!?」
「こういう時はガイウス様に抱きつくものです……やり直しますか?」
「えぇ!? や、やり直しですか!? ど、どこから!? お化けは!?」
「とりあえず……どうぞガイウス様」
どうぞ、と言われてロウさんにヒョイと持ち上げられる。そして、旦那様の前に降ろされた。
「……別にどっちにしがみついてもいいじゃないか……」
「ジィーとリーファ様を見下ろしていたではないですか」
「いきなり悲鳴を上げれば見るだろう」
全身甲冑姿のお化けは、キョロキョロする頭が無いせいか、代わりのように両腕をキョロキョロさせている。
旦那様とロウさんの会話に困惑中らしい。
「旦那様! お、お化けが……!」
「……怖いのか?」
「怖いです!」
「あー……腕にしがみついていいから……」
「し、失礼します……!」
旦那様の腕をちょこんと手で握り、お化けを見た。
やっぱり首から上が全然無いー!
「リーファ、この甲冑は庭を彷徨いているお化けだ。生前は門番でもしていたのだろう。警備のように彷徨いているんだ」
「お化けが門番ですか!? ……だ、男性ですか!? 女性ですか!?」
「……この甲冑お化けを見てそんなことを聞いたやつは初めてだぞ……」
甲冑お化けは、両腕を力こぶを作るような動きをしている。
男性だとアピールしたいのだろうか。
「……だ、男性ですか?」
甲冑お化けは、正解と言うように親指を立てた。全身甲冑姿で身体つきはわからないが、どうやら男性らしい。
「そ、そうですか!?」
「甲冑、妻になったリーファだ。よろしく頼むぞ」
甲冑お化けは、胸に手を当て頭を下げた。
いや、頭は無いけど!
「か、か、甲冑様! よろしくお願いいたします!」
お化けに紹介されたのは初めてです!
お化けに挨拶をしたのも初めてです!
「もう行け。リーファは来たばかりだから脅かすな」
旦那様が、甲冑お化けにそう言うと主人に一礼するようにした後、庭を彷徨きだした。
まさか、邸に着くなりお化けに遭遇するとは……。
「とりあえず、二階の部屋にシーツを準備致しましょう。道中買って来たパンやサンドイッチがあるので、リーファ様と召し上がっていてください」
「そうだな。リーファ、行くぞ」
「は、はい!」
お化けが日常のような旦那様とロウさんはいつもと変わらない。
クール過ぎます!
そして、邸の中も嫌な予感がするけど、旦那様のマントを掴み二人の後をついて邸の中に入ることになった。