呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
寝ぼけていた。寝るのが遅かったせいかまだ眠い。しかも寝ぼけたままリーファに起こされた。
……寝ぼけてつい指に触れたが今更驚く事だろうか……。
しかし、やってしまった感はある。
逃げられたのがそういう事だろう。
しばらくベッドにうつ伏せのまま、枕に顔を埋めているとまたリーファがやってきた。
「旦那様……」
怒っているようには見えない。
見えないが…何故ナイトドレス姿なのだろうか?さっきもナイトドレスだったのだろうか?全くわからん!
「リーファ……さっきはだな……少し寝ぼけてだな……」
妻の指にキスしたからと何故言い訳のように寝ぼけた事を説明するのかと疑問はある。
あるが……リーファはナイトドレスのまま足元から両手を突きながらベッドに上がって来た。
旦那様と言いながら上に乗り、顔が近づいて来る。
明らかにリーファではない。リーファはこんな男を誘うような表情はしない。
「……誰だ? リーファじゃないな?」
「ふふふ……身体はリーファのよ。これならいいでしょう? ガイウス……」
「ジュリアか……リーファから出て行け」
「身体があればいいと言ったじゃない。身体はリーファのだし……」
ジュリアはリーファの身体を乗っ取り迫って来ていた。
起こした俺の身体に垂れかかる薄着姿のリーファの身体はリーファのものであってリーファではない。
「ジュリア、今すぐに出て行け。リーファの身体からすぐに出ろ。怒るぞ」
「ガイウスと楽しんでから出るわ!」
「……今すぐに出ないなら消滅させるぞ」
「……本気?」
「本気だ。リーファを傷つけるなよ」
「むしろリーファは喜ぶかもしれないわよ」
「勝手に身体を使われて喜ぶわけがないだろう。出ていけ」
「波長が一つも合わない人間に乗り移れるわけがないでしょう?」
「何の波長だ。とにかくジュリアはしばらく地下から出てくるな。仕置きだ」
「ご無沙汰のくせに」
「出 て け!」
中々出て行かないジュリアが乗り移ったリーファの額に指を立て少しだけ魔法でショックを与える。ジュリアをリーファから強制的に追い出すために。
『いったーい!』
リーファから弾かれるように、飛び出して来た。ジュリアは少しの魔法に痛がっていた。
それでも痛いで済むのだから見た目と違い、意外とジュリアはしぶといお化けだ。
「ジュリア、俺がいいというまで、地下で反省してろ!」
『ガイウスのバカー!!』
ジュリアは床を付き抜けて消えて行った。そのまま地下に行ったのだろう。
さすがに消滅はしたくないようだ。まだこの邸で好きにしたいのだろう。
残されたリーファの身体は倒れるように胸に凭れている。
……リーファは可愛いと思う。
初対面の時から珍しい娘だと思った。
あのアーサー様から逃げてきて、他の娘のように外見に流されない娘だと思った。
そんなリーファに興味はあった。もう一度会ってみたいとさえ思っていた。
そして、ある日陛下から頼みたいことがあると書簡が届いた。アーサー様の邸で呪われた令嬢を保護して欲しいと。
書簡が届きすぐに陛下にお会いに行くと、アーサー様の結婚相手には出来ないからと、呪われた令嬢との結婚も陛下に勧められた。この話をされた時は結婚は断ろうかと思った。
結婚までせずとも、保護するだけで充分だろうと決めていた。
だが、相手はリーファ・ハリストンと言った。
リーファの事は覚えていた。忘れる事はなかった。
リーファだから、アーサー様から保護するだけではなく結婚までしようと思ったのだ。
だから、陛下の結婚の提案を受け入れた。
そんなリーファはこの邸に来てから、出来ることをしようと、料理に掃除にと頑張っている。
アーサー様を忘れたいという気持ちもないわけでは無いだろうが、一生懸命な姿には好感がもてる。
胸に凭れたままのリーファを撫でると、只眠っている。
……ジュリアをリーファからはじき出した後もリーファは起きない。
もう日が昇っているのだろう。
眠りに就く時間が来ていたから、ジュリアは入り込めたのだろうか。
まだ、眠いまま入れ替わるようにリーファをベッドに寝かせて、リーファが準備してくれた朝食を食べることにした。彼女が一生懸命作ってくれたものを無駄には出来なかった。
……寝ぼけてつい指に触れたが今更驚く事だろうか……。
しかし、やってしまった感はある。
逃げられたのがそういう事だろう。
しばらくベッドにうつ伏せのまま、枕に顔を埋めているとまたリーファがやってきた。
「旦那様……」
怒っているようには見えない。
見えないが…何故ナイトドレス姿なのだろうか?さっきもナイトドレスだったのだろうか?全くわからん!
「リーファ……さっきはだな……少し寝ぼけてだな……」
妻の指にキスしたからと何故言い訳のように寝ぼけた事を説明するのかと疑問はある。
あるが……リーファはナイトドレスのまま足元から両手を突きながらベッドに上がって来た。
旦那様と言いながら上に乗り、顔が近づいて来る。
明らかにリーファではない。リーファはこんな男を誘うような表情はしない。
「……誰だ? リーファじゃないな?」
「ふふふ……身体はリーファのよ。これならいいでしょう? ガイウス……」
「ジュリアか……リーファから出て行け」
「身体があればいいと言ったじゃない。身体はリーファのだし……」
ジュリアはリーファの身体を乗っ取り迫って来ていた。
起こした俺の身体に垂れかかる薄着姿のリーファの身体はリーファのものであってリーファではない。
「ジュリア、今すぐに出て行け。リーファの身体からすぐに出ろ。怒るぞ」
「ガイウスと楽しんでから出るわ!」
「……今すぐに出ないなら消滅させるぞ」
「……本気?」
「本気だ。リーファを傷つけるなよ」
「むしろリーファは喜ぶかもしれないわよ」
「勝手に身体を使われて喜ぶわけがないだろう。出ていけ」
「波長が一つも合わない人間に乗り移れるわけがないでしょう?」
「何の波長だ。とにかくジュリアはしばらく地下から出てくるな。仕置きだ」
「ご無沙汰のくせに」
「出 て け!」
中々出て行かないジュリアが乗り移ったリーファの額に指を立て少しだけ魔法でショックを与える。ジュリアをリーファから強制的に追い出すために。
『いったーい!』
リーファから弾かれるように、飛び出して来た。ジュリアは少しの魔法に痛がっていた。
それでも痛いで済むのだから見た目と違い、意外とジュリアはしぶといお化けだ。
「ジュリア、俺がいいというまで、地下で反省してろ!」
『ガイウスのバカー!!』
ジュリアは床を付き抜けて消えて行った。そのまま地下に行ったのだろう。
さすがに消滅はしたくないようだ。まだこの邸で好きにしたいのだろう。
残されたリーファの身体は倒れるように胸に凭れている。
……リーファは可愛いと思う。
初対面の時から珍しい娘だと思った。
あのアーサー様から逃げてきて、他の娘のように外見に流されない娘だと思った。
そんなリーファに興味はあった。もう一度会ってみたいとさえ思っていた。
そして、ある日陛下から頼みたいことがあると書簡が届いた。アーサー様の邸で呪われた令嬢を保護して欲しいと。
書簡が届きすぐに陛下にお会いに行くと、アーサー様の結婚相手には出来ないからと、呪われた令嬢との結婚も陛下に勧められた。この話をされた時は結婚は断ろうかと思った。
結婚までせずとも、保護するだけで充分だろうと決めていた。
だが、相手はリーファ・ハリストンと言った。
リーファの事は覚えていた。忘れる事はなかった。
リーファだから、アーサー様から保護するだけではなく結婚までしようと思ったのだ。
だから、陛下の結婚の提案を受け入れた。
そんなリーファはこの邸に来てから、出来ることをしようと、料理に掃除にと頑張っている。
アーサー様を忘れたいという気持ちもないわけでは無いだろうが、一生懸命な姿には好感がもてる。
胸に凭れたままのリーファを撫でると、只眠っている。
……ジュリアをリーファからはじき出した後もリーファは起きない。
もう日が昇っているのだろう。
眠りに就く時間が来ていたから、ジュリアは入り込めたのだろうか。
まだ、眠いまま入れ替わるようにリーファをベッドに寝かせて、リーファが準備してくれた朝食を食べることにした。彼女が一生懸命作ってくれたものを無駄には出来なかった。