呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
第四章 帰還編
街を出てもう何時間経っただろうか。
雨の中ずっと旦那様の腕の中で馬は走っている。
「リーファ、大丈夫か?」
「大丈夫です。旦那様、離さないでくださいね」
「すまなかった……。もうすぐで、予定の休憩場所につく」
「はい」
旦那様と街を脱出する時に、街中から悲鳴が響き渡っていた。
旦那様が、街から外に出る全ての道にあちらこちらと、無理矢理お化けを起こして撹乱させたらしい。
そして、城にもお化けが出るようにして、私たちをすぐに追ってこれないようにしていた。
ニール殿下が逃げる準備をしていると言っていたのは、このことだったのだ。
「旦那様……ジェフさんはどうされました?」
「ロウの知り合いに預けた。いずれまた会える」
無事で良かった。私のせいで罪のないジェフさんが傷つく必要はないのだから。
私はずっと旦那様に抱きついていた。
旦那様は、何も聞かずに大丈夫か? と労りの言葉だけをかけてくれていた。
そして、しばらくすると水音が聞こえてきた。
「リーファ……湖が見えてきた。今夜はあそこに泊まるぞ」
旦那様に言われて顔をあげると、湖の側に小さな釣り小屋があった。
「旦那様の小屋ですか?」
「ロウの隠れ家の一つらしい」
「ロウさんの?」
小屋の前で馬を停めると、旦那様が軽々と私を降ろしてくれた。
そのまま、旦那様に連れられて小屋に入ると、釣り道具は一式揃ってあったが隠れ家といっていたから、きっと飾りなのだろう思う。
そして、雨に濡れているせいか、くしゅんとくしゃみが出た。
「リーファ……大丈夫か?」
「はい……」
旦那様が私を温めるように、抱き締めてくれ、そっと目を閉じた。
「……旦那様。私と夫婦になってください」
突然の告白に旦那様は無言で、顔は直視できなかった。旦那様の腕にしがみつくように、そう言ったのだ。
旦那様は何も言わずに、私の首筋を撫でていた。
私がもうお嫌いなのだろうか。
そう思うと無言で抱き上げられベッドに連れて行かれた。
釣り小屋には小さなベッドが一つだけあり、小さな暖炉には火もつけないままベッドに組み敷かれて、あの金の瞳で私を見ている。
「……お嫌いになりますか?」
「ならない。……嫌いなら、あんな騒ぎを起こしてまで、連れ戻しには行かない」
旦那様はアーサー様には怒っているようだった。
それでも、旦那様は私と夫婦になってくれた。
この日、旦那様と本当の夫婦になったのだ。
雨の中ずっと旦那様の腕の中で馬は走っている。
「リーファ、大丈夫か?」
「大丈夫です。旦那様、離さないでくださいね」
「すまなかった……。もうすぐで、予定の休憩場所につく」
「はい」
旦那様と街を脱出する時に、街中から悲鳴が響き渡っていた。
旦那様が、街から外に出る全ての道にあちらこちらと、無理矢理お化けを起こして撹乱させたらしい。
そして、城にもお化けが出るようにして、私たちをすぐに追ってこれないようにしていた。
ニール殿下が逃げる準備をしていると言っていたのは、このことだったのだ。
「旦那様……ジェフさんはどうされました?」
「ロウの知り合いに預けた。いずれまた会える」
無事で良かった。私のせいで罪のないジェフさんが傷つく必要はないのだから。
私はずっと旦那様に抱きついていた。
旦那様は、何も聞かずに大丈夫か? と労りの言葉だけをかけてくれていた。
そして、しばらくすると水音が聞こえてきた。
「リーファ……湖が見えてきた。今夜はあそこに泊まるぞ」
旦那様に言われて顔をあげると、湖の側に小さな釣り小屋があった。
「旦那様の小屋ですか?」
「ロウの隠れ家の一つらしい」
「ロウさんの?」
小屋の前で馬を停めると、旦那様が軽々と私を降ろしてくれた。
そのまま、旦那様に連れられて小屋に入ると、釣り道具は一式揃ってあったが隠れ家といっていたから、きっと飾りなのだろう思う。
そして、雨に濡れているせいか、くしゅんとくしゃみが出た。
「リーファ……大丈夫か?」
「はい……」
旦那様が私を温めるように、抱き締めてくれ、そっと目を閉じた。
「……旦那様。私と夫婦になってください」
突然の告白に旦那様は無言で、顔は直視できなかった。旦那様の腕にしがみつくように、そう言ったのだ。
旦那様は何も言わずに、私の首筋を撫でていた。
私がもうお嫌いなのだろうか。
そう思うと無言で抱き上げられベッドに連れて行かれた。
釣り小屋には小さなベッドが一つだけあり、小さな暖炉には火もつけないままベッドに組み敷かれて、あの金の瞳で私を見ている。
「……お嫌いになりますか?」
「ならない。……嫌いなら、あんな騒ぎを起こしてまで、連れ戻しには行かない」
旦那様はアーサー様には怒っているようだった。
それでも、旦那様は私と夫婦になってくれた。
この日、旦那様と本当の夫婦になったのだ。