呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
旦那様と夫婦になって、日中寝ていたあとに、ロウさんの知り合いの方という人が食べ物や、私の洋服を持って来ていたおかげで、あの薄いナイトドレスから、動きやすい服に着替えていた。
こんな時まで、ロウさんに抜かりはなかった。
「旦那様……これからどうするのですか?」
「偽名で貸別荘を借りたから、しばらくはそこにいようと思う」
ベッドサイドに座り、旦那様の腕の中で聞いた。
旦那様は本当の夫婦になったからか、なんとなく機嫌がいい。
「……旦那様、アーサー様はどんな方ですか? 以前からあんな方ですか?」
「気になるのか?」
「ちょっと様子がおかしかったので……」
アーサー様の名前を出すと旦那様は、ちょっとムッとしてしまった。
「……一線は越えてなかったみたいだが、アーサー様のところに戻りたいのか?」
「そういうわけでは……」
「実は結婚式は途中で中止になったんだ。陛下の容態もあったが、正式にまだ受理されなかった」
「では、まだアーサー様は独身なのですか!?」
「ニールが、キャシー嬢との結婚をもう少し伸ばすようにあちこちに働きかけて止めていた」
旦那様は不機嫌になり話している。
アーサー様のことは言わない方がいいのかもしれないが、呪いのこともあるから秘密には出来ない。
でも、一線は越えてなかったとしても、やはり首筋や胸元に残る痕に旦那様は怒っているのだ。
「旦那様、呪いの解き方を聞いたのです。でも、もう呪いを解くことが出来ないのですが……」
旦那様以外とは出来ない。
旦那様以外に抱かれるくらいなら、このままでいいと思う。
でも言わないと、旦那様はきっと呪いの解き方を探す気がする。
「どうやって解くんだ?」
「……対になるお茶を飲んだ者と交わるそうです」
旦那様の腕の中にいるからか、腕に力が入るのがわかった。
「……アーサー様と飲んだのか?」
「……飲みました。お茶会には私とアーサー様だけだったのです」
「他に呪いの解き方がないか探す」
腕の中にすっぽり収まっていた私を旦那様は、もう離さないというように閉じ込めるように抱き締めてくる。
私をアーサー様に渡したくはないと思ってくれているのだろう。
「私には旦那様だけです……でも、あの亡き王妃様のどす黒いモヤモヤを見てしまって……」
ニール殿下とアーサー様が可哀想だと思った。二人には旦那様の助けが必要なのだ。
あれを消せるのは、きっと旦那様だけなんだと思う。
「あれが見えたのか? 陛下にお会いしたのか?」
旦那様は驚いたように聞いてきた。
お化けが見えたからと言ってなんなのだろうか。
「見えましたが……それが何か?」
「あれは普通では見えないはずだ」
そういえば、ニール殿下もアーサー様も見えてなかった。
「でも、クローリー家のヘルハウスではお化けが見えましたし、城から逃げる時も、旦那様が起こしてお化けは皆様見えていたのでは?」
「ヘルハウスは、不思議な邸だから見えるが……俺が起こしたお化けも、魔法で起こしたから見えるだけで、王妃の亡霊は普通の人には見えなかった」
「……どうして見えたのでしょうか?」
「……リーファは魔力があるのかもしれない」
旦那様は少し考えていたのか、無言のあとそう言った。
「魔力ですか……でも魔法は使えませんし。……旦那様、ニール殿下やアーサー様をお助けしませんか? お二人には旦那様の助けが必要だと思うのです。アーサー様も時々ボッーとしていて何かおかしいのです」
そういうと、ドサリとベッドに押し倒された。
何だか怒っている顔だ。
「もう一回する」
「えぇ!? 貸別荘に行くのでは!?」
「明日でいい」
「旦那様、怒ってますか?」
「別に……」
怒ってるように見えますがね。
そして、今夜も釣り小屋で夜を過ごした。
こんな時まで、ロウさんに抜かりはなかった。
「旦那様……これからどうするのですか?」
「偽名で貸別荘を借りたから、しばらくはそこにいようと思う」
ベッドサイドに座り、旦那様の腕の中で聞いた。
旦那様は本当の夫婦になったからか、なんとなく機嫌がいい。
「……旦那様、アーサー様はどんな方ですか? 以前からあんな方ですか?」
「気になるのか?」
「ちょっと様子がおかしかったので……」
アーサー様の名前を出すと旦那様は、ちょっとムッとしてしまった。
「……一線は越えてなかったみたいだが、アーサー様のところに戻りたいのか?」
「そういうわけでは……」
「実は結婚式は途中で中止になったんだ。陛下の容態もあったが、正式にまだ受理されなかった」
「では、まだアーサー様は独身なのですか!?」
「ニールが、キャシー嬢との結婚をもう少し伸ばすようにあちこちに働きかけて止めていた」
旦那様は不機嫌になり話している。
アーサー様のことは言わない方がいいのかもしれないが、呪いのこともあるから秘密には出来ない。
でも、一線は越えてなかったとしても、やはり首筋や胸元に残る痕に旦那様は怒っているのだ。
「旦那様、呪いの解き方を聞いたのです。でも、もう呪いを解くことが出来ないのですが……」
旦那様以外とは出来ない。
旦那様以外に抱かれるくらいなら、このままでいいと思う。
でも言わないと、旦那様はきっと呪いの解き方を探す気がする。
「どうやって解くんだ?」
「……対になるお茶を飲んだ者と交わるそうです」
旦那様の腕の中にいるからか、腕に力が入るのがわかった。
「……アーサー様と飲んだのか?」
「……飲みました。お茶会には私とアーサー様だけだったのです」
「他に呪いの解き方がないか探す」
腕の中にすっぽり収まっていた私を旦那様は、もう離さないというように閉じ込めるように抱き締めてくる。
私をアーサー様に渡したくはないと思ってくれているのだろう。
「私には旦那様だけです……でも、あの亡き王妃様のどす黒いモヤモヤを見てしまって……」
ニール殿下とアーサー様が可哀想だと思った。二人には旦那様の助けが必要なのだ。
あれを消せるのは、きっと旦那様だけなんだと思う。
「あれが見えたのか? 陛下にお会いしたのか?」
旦那様は驚いたように聞いてきた。
お化けが見えたからと言ってなんなのだろうか。
「見えましたが……それが何か?」
「あれは普通では見えないはずだ」
そういえば、ニール殿下もアーサー様も見えてなかった。
「でも、クローリー家のヘルハウスではお化けが見えましたし、城から逃げる時も、旦那様が起こしてお化けは皆様見えていたのでは?」
「ヘルハウスは、不思議な邸だから見えるが……俺が起こしたお化けも、魔法で起こしたから見えるだけで、王妃の亡霊は普通の人には見えなかった」
「……どうして見えたのでしょうか?」
「……リーファは魔力があるのかもしれない」
旦那様は少し考えていたのか、無言のあとそう言った。
「魔力ですか……でも魔法は使えませんし。……旦那様、ニール殿下やアーサー様をお助けしませんか? お二人には旦那様の助けが必要だと思うのです。アーサー様も時々ボッーとしていて何かおかしいのです」
そういうと、ドサリとベッドに押し倒された。
何だか怒っている顔だ。
「もう一回する」
「えぇ!? 貸別荘に行くのでは!?」
「明日でいい」
「旦那様、怒ってますか?」
「別に……」
怒ってるように見えますがね。
そして、今夜も釣り小屋で夜を過ごした。