呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
「それにしても、変ですね」
「そうだな……」
城に戻る前に、ニール殿下が滞在しているという伯爵家に行ったが、今はニール殿下は城に入れないくらい、王妃様のどす黒いモヤモヤがあるらしい。
旦那様とロウさんがいうには、以前は陛下の部屋しか王妃様の亡霊はいなかったらしいが、今は何故か城中にモヤモヤがあるらしい。
そして、城に入るのに最初は止められたが、旦那様は公爵様でしかもニール殿下と陛下から要請を受けて来たことで、何とか入ることができた。
それでも、旦那様がヘルハウスの当主だと知っている城の警備たちは旦那様のせいだと思っているのか、不気味なものを見るように私たちを見ている。
確かにお化けを起こしたのは旦那様だけど、王妃様の亡霊には関係ない。
旦那様とロウさんは気にする様子もなく歩き、私は旦那様の腕を離さずに歩いた。
私のせいでお化けを起こしたのだから、私が堂々と出来ないと旦那様に申し訳なくなる。
「リーファ、大丈夫か?」
「はい。旦那様がいますから」
「クローリー家に正式に仕事の依頼がきてますから、ガイウス様とリーファ様を捕らえることは出来ませんよ。ですから、ご安心ください」
どす黒いモヤモヤのせいで、異様な空気の中進むと、高齢な二人が走ってやって来た。後ろには護衛までいる。
いかにも、高官らしい装いに城のお偉いさんだと思う。
「クローリー公爵! よく来てくれました!」
「どうか陛下を……!」
旦那様がお化けを起こしたことは不問にするからと、懇願するように二人は必死だった。
その間にロウさんはコソリと、この二人は宰相様と、陛下の側近の城の高官だと教えてくれた。
二人は、今陛下に崩御されては国が乱れ、争いが起こることを懸念しており、何としても助けて欲しいらしい。
今は、ニール殿下は城に入れず、滞在している伯爵家でも床に臥せりだし、アーサー様はほとんど部屋から出てこない。
たまに出て来ても、どこかボッーとしているらしい。
「きっと、あの小瓶のせいです……」
城に来る前にあのピンクの小瓶の匂いを嗅いだのだ。
小瓶の中は、凝縮された液体だったのか、開けただけで匂いはあった。
その匂いは、アーサー様から時々匂っていた甘い匂いだった。
「アーサー様はどうしていますか?」
「あなたがリーファ・ハリストンですか?」
「リーファ・クローリーです……」
私は、もうハリストンではない。
旦那様の妻だと、言うように二人の高官を見て言った。
「失礼しました……アーサー様は、ほとんど部屋から出ずに我々もどうしていいのか……キャシー様しか、入れないのです。もしかしたら、あなたなら、アーサー様も部屋に入れてくださるかもしれません」
キャシー様はきっとアーサー様に何か盛っていたのだ。
ロウさんは、匂いを嗅いだ時に魅了の薬に似ていると言っていたけど、私たちはキャシー様に魅了がかかっているとは思えなかった。
もしキャシー様に魅了がかかっているなら、私にあんなに執着するとは思えない。
「旦那様と一緒なら、アーサー様とお会いします。……旦那様、どうか一緒に行ってくださいますか?」
「当然だ。一人で行かせるつもりはない」
今もキャシー様はアーサー様といるらしく、誰も部屋に入れないらしい。
高官二人は、こんなことなら、私とアーサー様の仲を認めれば良かったというけれど、私たちは恋人だったこともない。
「アーサー様はお助けしたいとは思いますが、どうか、私をアーサー様に差し出さないでください。でなければ、お会いすることは出来ません」
「リーファを差し出すつもりなら、協力はしない。今は王家の一大事ではないのか?」
「……わかりました。約束致します」
重い顔の高官たちと、アーサー様の部屋に向かうと、どす黒いモヤモヤは益々濃くなっていた。
「そうだな……」
城に戻る前に、ニール殿下が滞在しているという伯爵家に行ったが、今はニール殿下は城に入れないくらい、王妃様のどす黒いモヤモヤがあるらしい。
旦那様とロウさんがいうには、以前は陛下の部屋しか王妃様の亡霊はいなかったらしいが、今は何故か城中にモヤモヤがあるらしい。
そして、城に入るのに最初は止められたが、旦那様は公爵様でしかもニール殿下と陛下から要請を受けて来たことで、何とか入ることができた。
それでも、旦那様がヘルハウスの当主だと知っている城の警備たちは旦那様のせいだと思っているのか、不気味なものを見るように私たちを見ている。
確かにお化けを起こしたのは旦那様だけど、王妃様の亡霊には関係ない。
旦那様とロウさんは気にする様子もなく歩き、私は旦那様の腕を離さずに歩いた。
私のせいでお化けを起こしたのだから、私が堂々と出来ないと旦那様に申し訳なくなる。
「リーファ、大丈夫か?」
「はい。旦那様がいますから」
「クローリー家に正式に仕事の依頼がきてますから、ガイウス様とリーファ様を捕らえることは出来ませんよ。ですから、ご安心ください」
どす黒いモヤモヤのせいで、異様な空気の中進むと、高齢な二人が走ってやって来た。後ろには護衛までいる。
いかにも、高官らしい装いに城のお偉いさんだと思う。
「クローリー公爵! よく来てくれました!」
「どうか陛下を……!」
旦那様がお化けを起こしたことは不問にするからと、懇願するように二人は必死だった。
その間にロウさんはコソリと、この二人は宰相様と、陛下の側近の城の高官だと教えてくれた。
二人は、今陛下に崩御されては国が乱れ、争いが起こることを懸念しており、何としても助けて欲しいらしい。
今は、ニール殿下は城に入れず、滞在している伯爵家でも床に臥せりだし、アーサー様はほとんど部屋から出てこない。
たまに出て来ても、どこかボッーとしているらしい。
「きっと、あの小瓶のせいです……」
城に来る前にあのピンクの小瓶の匂いを嗅いだのだ。
小瓶の中は、凝縮された液体だったのか、開けただけで匂いはあった。
その匂いは、アーサー様から時々匂っていた甘い匂いだった。
「アーサー様はどうしていますか?」
「あなたがリーファ・ハリストンですか?」
「リーファ・クローリーです……」
私は、もうハリストンではない。
旦那様の妻だと、言うように二人の高官を見て言った。
「失礼しました……アーサー様は、ほとんど部屋から出ずに我々もどうしていいのか……キャシー様しか、入れないのです。もしかしたら、あなたなら、アーサー様も部屋に入れてくださるかもしれません」
キャシー様はきっとアーサー様に何か盛っていたのだ。
ロウさんは、匂いを嗅いだ時に魅了の薬に似ていると言っていたけど、私たちはキャシー様に魅了がかかっているとは思えなかった。
もしキャシー様に魅了がかかっているなら、私にあんなに執着するとは思えない。
「旦那様と一緒なら、アーサー様とお会いします。……旦那様、どうか一緒に行ってくださいますか?」
「当然だ。一人で行かせるつもりはない」
今もキャシー様はアーサー様といるらしく、誰も部屋に入れないらしい。
高官二人は、こんなことなら、私とアーサー様の仲を認めれば良かったというけれど、私たちは恋人だったこともない。
「アーサー様はお助けしたいとは思いますが、どうか、私をアーサー様に差し出さないでください。でなければ、お会いすることは出来ません」
「リーファを差し出すつもりなら、協力はしない。今は王家の一大事ではないのか?」
「……わかりました。約束致します」
重い顔の高官たちと、アーサー様の部屋に向かうと、どす黒いモヤモヤは益々濃くなっていた。