呪われた令嬢はヘルハウスに嫁ぎます!
ベッドから足を垂らしたまま、ぐたりと起きないアーサー様の隣に膝をついてしゃがみ込んでいる間に、旦那様は部屋の黒いモヤモヤを消していた。
旦那様のお化けを消すときの魔法は幻想的で綺麗だ。
送り火の魔法を見た時もそうだったが、淡い光が部屋中の黒いモヤモヤを浄化するように消している。
そんな中、秘密の通路から女性の喚く声が聞こえ始めた。
声がだんだんと近づいて来ると、ロウさんが捕まえたようで、両手を縛られた女性がロウさんに引っ張られながら、髪を振り乱し喚いている。
「放しなさいよ!! 私を誰だと思っているの!!」
「ガイウス様、捕らえました。キャシー嬢です」
「そのまま警備に渡すぞ」
「はい」
そう旦那様とロウさんが、キャシー様を気にせずにいつもの落ち着いた口調で話すと、キャシー様は私とアーサー様の方を見て焦り始めた。
「離れなさい! またあなたなの!? 早く……!!」
キャシー様の怒鳴り声の中、うーんとぐったりとしていたアーサー様の手が動いた。
やっと目が覚める! と思うと心配からか、アーサー様の顔を見ながら声をかける。
「アーサー様! 大丈夫ですか!?」
「ダメよ!? 早く離れなさい! また邪魔する気!? リーファ離れなさい!」
アーサー様が心配で声をかけると、キャシー様は青ざめ益々焦りが加速するようだった。
その様子が何だか怖い。
「旦那様……」
「リーファ、何かおかしい。少し離れろ」
「はい!」
旦那様に腕を掴まれ、起き上がろうとすると、アーサー様の瞼が開き、宝石のような碧眼がこちらを見た。
「……リーファ」
「……アーサー様、大丈夫ですか?」
旦那様の腕に包まれたまま、アーサー様と目が合うと、キャシー様は狂ったように叫びだした。
「やめてーー!! アーサー様と目を合わせてはダメよ!! また邪魔をする気!? また、リーファなの!?」
キャシー様は縛られたまま、バタバタともつれそうな足を動かしてアーサー様に近づこうとするが、ロウさんに抑えられていて近づくことも出来ない。
「リーファ! 目を合わすな! おかしいぞ!」
「は、はい!」
旦那様が私の顔を隠すようにしたのと同時に、旦那様の胸に顔を埋めた。
旦那様もマントで包むように、私を隠した。
「リーファ……! ガイウス! リーファを放せ!」
「お断りですね」
起き上がり私を捕まえようとしたのか、いきなりアーサー様は私に向かい手を伸ばす。
それを旦那様は問答無用で、吹き飛ばした。
払うような手から風の魔法でアーサー様を吹き飛ばしたのだ。
アーサー様は、悲鳴すら上げずに、グッと声を押し殺すように、床に転がってしまった。
一体なにがおきているのか、わからずマントの中から旦那様を見上げると旦那様も無表情なりに困惑しているのではと思う。その困惑を解消しようとするかのように、キャシー様にむかって問い詰めた。
「アーサー様になにをした? アーサー様がおかしいのはお前のせいだな? 薬か? 魔法か? 全て白状しろ!」
旦那様のお化けを消すときの魔法は幻想的で綺麗だ。
送り火の魔法を見た時もそうだったが、淡い光が部屋中の黒いモヤモヤを浄化するように消している。
そんな中、秘密の通路から女性の喚く声が聞こえ始めた。
声がだんだんと近づいて来ると、ロウさんが捕まえたようで、両手を縛られた女性がロウさんに引っ張られながら、髪を振り乱し喚いている。
「放しなさいよ!! 私を誰だと思っているの!!」
「ガイウス様、捕らえました。キャシー嬢です」
「そのまま警備に渡すぞ」
「はい」
そう旦那様とロウさんが、キャシー様を気にせずにいつもの落ち着いた口調で話すと、キャシー様は私とアーサー様の方を見て焦り始めた。
「離れなさい! またあなたなの!? 早く……!!」
キャシー様の怒鳴り声の中、うーんとぐったりとしていたアーサー様の手が動いた。
やっと目が覚める! と思うと心配からか、アーサー様の顔を見ながら声をかける。
「アーサー様! 大丈夫ですか!?」
「ダメよ!? 早く離れなさい! また邪魔する気!? リーファ離れなさい!」
アーサー様が心配で声をかけると、キャシー様は青ざめ益々焦りが加速するようだった。
その様子が何だか怖い。
「旦那様……」
「リーファ、何かおかしい。少し離れろ」
「はい!」
旦那様に腕を掴まれ、起き上がろうとすると、アーサー様の瞼が開き、宝石のような碧眼がこちらを見た。
「……リーファ」
「……アーサー様、大丈夫ですか?」
旦那様の腕に包まれたまま、アーサー様と目が合うと、キャシー様は狂ったように叫びだした。
「やめてーー!! アーサー様と目を合わせてはダメよ!! また邪魔をする気!? また、リーファなの!?」
キャシー様は縛られたまま、バタバタともつれそうな足を動かしてアーサー様に近づこうとするが、ロウさんに抑えられていて近づくことも出来ない。
「リーファ! 目を合わすな! おかしいぞ!」
「は、はい!」
旦那様が私の顔を隠すようにしたのと同時に、旦那様の胸に顔を埋めた。
旦那様もマントで包むように、私を隠した。
「リーファ……! ガイウス! リーファを放せ!」
「お断りですね」
起き上がり私を捕まえようとしたのか、いきなりアーサー様は私に向かい手を伸ばす。
それを旦那様は問答無用で、吹き飛ばした。
払うような手から風の魔法でアーサー様を吹き飛ばしたのだ。
アーサー様は、悲鳴すら上げずに、グッと声を押し殺すように、床に転がってしまった。
一体なにがおきているのか、わからずマントの中から旦那様を見上げると旦那様も無表情なりに困惑しているのではと思う。その困惑を解消しようとするかのように、キャシー様にむかって問い詰めた。
「アーサー様になにをした? アーサー様がおかしいのはお前のせいだな? 薬か? 魔法か? 全て白状しろ!」