【完】黒蝶 -ふたりの総長に奪われて-
何これドッキリ!?
え、まさかわたしが朝顔の人間だってバレてたりする!?じゃなきゃ2日目でこんな展開ありえないわよね!?
「……まつり~。
お前、いままで女に興味なかったでしょうに」
「それは"今まで"の話だろ」
「そうだけどよ~。
そりゃあ、お前が明確に意志持ってそんなに肩入れしてんなら、話が変わってくるだろ」
「それは彼岸花にとってか?
……それとも優理、お前自身にとってか?」
で、なんか舘宮くんと優理がバチバチしてるし。
とりあえずここは、いくらなんでも断っておこう。距離を詰めてくる優理を最初に拒んでいたこともあるし、さすがにいま頷くのは怪しすぎる。
舘宮くんのことは嫌いじゃない。
だけど、それとこれとはやっぱり別問題。
「理解してんなら、余計にタチ悪ぃよまつり」
「そうか。俺は、」
「っ、ごめん舘宮くん」
話を遮って申し訳ないけれど。
これ以上会話をのんびり待つわけにもいかず、無理やり割って入る。美しいこの人の彼女になりたい女の子たちの気持ちだって、理解できる。でも。
「ごめんなさい。
そんなつもりは無いから、やっぱり付き合えない」
「……そうか」
「ごめんね」