【完】黒蝶 -ふたりの総長に奪われて-
あと雫ちゃん、しれっと越にも好評って言うた?
「やっぱ越もそう思った? 思ったよなぁ?
可愛かったもんなぁ、俺のヘアセットっていうか雫ちゃんが可愛いからな!でも似合ってたもんなぁ」
「立ち直るとクソウザい」
「なにそれハル知らないっ。
雫ちゃんヘアセットしてもらったの?写真ないの?ハルそのときの写真見たいぃ。雫ちゃんの写真見たいぃ」
「しゃあねえな、
そんなに言うなら俺が1枚100円で売ってやろう」
「ハル、ケンちゃんからは買わないよぉ」
カオス。
でもこれが日常。ハルと兼が賑やかに言い合って、越がめんどくさそうに話聞いてて、雫ちゃんはみんなの中心で楽しそうに混ざってて、静がそれを見守ってる。
「ハルちゃん、これ。パパとママとの写真だけど」
「かわいい、大優勝。雫ちゃんしか勝たん」
「ハルって雫ちゃん推してんの?」
「ケンちゃんなんか言った?」
「言ってないですすみません……」
朝顔7代目幹部。
任命されたのはついこの間やけど、俺らの安定感と安心感は、そう簡単に揺らぐものじゃない。
「ハルちゃん」