【完】黒蝶 -ふたりの総長に奪われて-







「おなかいっぱい。もうハル歩けないぃ」



「そんな食えへんの分かってんのに、

わざわざチャーハンセットにするからやろ」



「えー。

ここ来たらチャーハンセットにしなきゃ意味ないじゃん」



「はじめて来たときから頼んでたよなぁ、ハル。

んで、食べれなくて俺らが手伝った記憶ある」



「ケンちゃんほぼ手伝ってくれてないじゃん」



店を出て、伸びをする。やばい、お腹超重い。

帰ったら塩分過多ですぐ寝ちゃいそう。……でもメイク落とさなきゃ、肌荒れちゃうし。



お風呂めんどくさいなぁ。




「静、ハルのことおぶってー」



「……重いだろ」



「うわ、レディに失礼」



なんて言いながらも、屈んでくれる静の背中に乗りかかる。

静って一番背高いし、落ち着いてるし、おぶってもらうには丁度いいんだよね。快適。



「遥人」



しばらくいつもの道を歩いてたら、えっちゃんに声を掛けられる。

遥人って呼ぶのやめてくんないかなぁ。……ああ、ねむたい。



「なぁにー、えっちゃん」



< 274 / 295 >

この作品をシェア

pagetop