【完】黒蝶 -ふたりの総長に奪われて-
身長150センチくらいの……女の子?
やわらかくウェーブした髪の毛はミルクティーカラーで、大きな瞳がジッとわたしを見上げる。よくわからないけど、歓迎されてないわよね、これ。
「ハル、あんま雫に絡まないで」
「なんでぇ? 別に絡んでないじゃーん。
わざわざココに連れてくるなんてめずらしいけどぉ、どうせいつものえっちゃんのあそび、」
「彼女」
「……え?」
「この子、俺の彼女」
越がわたしの腰に腕を回して、引き寄せる。
まるで後ろから抱きしめるみたいなそれに真っ赤になるわたしと、大きな瞳をさらに見開いて固まっているその子。
……いや、待って。
「か、彼女になったっけ?」
そんな記憶が一切ない。
動けないから首だけ動かして、越に確認する。
付き合おうとか、言われたっけ……?
「だって俺のこと好きでしょ?」
「っ、」
「っていうか。
付き合ってもない男とあんなやらしーちゅーするんだ?雫は」