【完】黒蝶 -ふたりの総長に奪われて-

・金髪美人な女子高生 side彼岸花




◆ side優理



「ツレないねえ」



『興味が無いので』と一言だけ返ってきたメッセージ。

敬語なところとか、スタンプも顔文字もつけないところとか、句点がないところも含めて本当に興味が無さそうだ。



東山 雫。

金髪のかわいい新入生が3組にいるって噂を聞いたから声を掛けてみたけど、思ったよりもガードがカタい。



「なにしてるのー?」



「っ、おも、」



勢いよく、ソファに座っている俺の背中に飛びついてくる咲耶。

おんぶを強請る子どもみたいなそれは、いくら咲耶だろうと男子高校生となればある程度重いわけで。



後ろから回された腕をとんとんと叩けば、咲耶が手を離す。

ひょこっと後ろから顔だけ覗かせたコイツに、たぶん悪気なんてものは無いんだろう。




「女の子に連絡してんの~」



「さっきの子?」



「ああ、よくわかったねえ」



本命とかカノジョとか作る気はないけど。

何人かいると便利じゃん、遊び相手。



ひとりだと、呼びたい時に来てくれないかもしんないし。

何人かキープしときたいとこなんだけど。中学のときの遊び相手は卒業と同時に告られて面倒だったから、そのまま切った。



だから高校生活でまた、新たに遊び相手が欲しいわけで。

……どうせならかわいい子の方がいいじゃん?



女の子はみんなかわいいとか、フェミニスト気取る気もないし。

かわいい遊び相手を何人か作れたら、俺はそれで満足なわけで。



< 66 / 295 >

この作品をシェア

pagetop