【完】黒蝶 -ふたりの総長に奪われて-
「金髪だったしイケると思ったんだけどな~」
髪色に、性格ってケッコー影響すると思う。
いくら校則で許されているとはいえ、入学初日に金髪にしてくるような女は大人しくない。だから割とすぐにたらし込めると思ったんだけど。
「たしかに金髪だったけど、
ちゃんと真面目そうな子じゃなかった?」
稜介の言う通り、真面目そうな女の子。
……だとしたら、なんであの髪色にしたんだろうねえ。
「……あんまり女をこっち側に影響させるなよ」
もう少しちょっかい掛けてみるか、と。
俺の心情なんて掴めているらしいまつりが、疲れたように俺を見る。中学卒業の時、俺のゴタゴタに付き合わせたのはつい最近の記憶。
……でもやっぱ、遊びたいじゃん?
いつまで経っても遊べるかなんて、分かんねえんだし。
「気をつけるよ~」
「……信用できないな」
「そ~? 何ならまつりにも紹介してやろうか?」
「断る」
ちぇ。ツレねえの。
まつりが頷くわけないって、知ってるけどよ~。
「ま、程々にしとくよ」
俺らのまわりって、割と俺らに食いつく女ばっかりだから。
完成に興味無さそうにされると、それはそれで面白い。