黎明の剣
それを知っていながらも、逃亡するものが後を立たないのは家族を守るため。
ただそれだけだった。
そして、いつかこの深く、底の見えない夜が明けることを、平和を皆切望して止まないのだ。
そんな時だった。
最後の戦争(帝国対二-ディア王国)が始まりを告げる。
帝国は戦争で敗戦した事などなく、対して二-ディア王国は歴史の浅い諸国。
帝国に勝てるはずもない。
戦地に向かう兵士たちは死刑場へ行くも同然だった。
当然の如く兵は減っていき、屍が転がっていく。