この世界の向こうには
「ゆ、ずり…?おい、柚利!!柚利!!!」

何度名前を呼んでも起きない柚利と俺の声を聞いて駆けつけてきた幹部の冬夜(とうや)(みつる)…。

2人はすぐに黎淶がいつも世話になってて、柚利の主治医である(けい)さんを呼んでくれた。

彗さんの車で、彗さんが経営してる病院に運ばれた。

そこは、国内でも医療技術が発展していて優秀な医者がそろっている病院だった。

誰もが、柚利は助かると思ってた。

そう、彗さん以外の俺らが…。

柚利が黎淶に来た時からずっと柚利を見てきた彗さんにはもう柚利が助からないかもしれないとわかっていた。

病院に着いた柚利は緊急手術で一命を取り留めた…はずだった……。

手術が終わり、容態が安定した日が3日続いた。

それでも柚利は一度も目を覚さなかった。
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