この世界の向こうには
「誰かの死を見届けるのは誰だって辛い。それが惚れた女なら尚更な。だとしても、1番辛いのは誰だと思う?」
「柚利」
俺は即答した。
柚利が黎淶のみんなに心配かけないように明るく振る舞ってたことを知ってるから…。
「そう、患者本人…いや、柚利ちゃんだよ。柚利ちゃんは体が弱かった。病気の進行だって早かった。それでも侑李や黎淶の奴らと一緒に居たくて、俺に無理を言ってでも入院はせずに薬の服薬だけでずっと過ごしてた」
「柚利が…?」
「柚利ちゃんに出した薬は強いものを出してたからその分の副作用だって半端じゃなかったはずだ。それがどんなに辛いことか、実際に患者にでもならないと正確にはわからない。けどな、その副作用で今まで苦しい思いをしながらあの子は生きてだんだよ。頑張って生きていた柚利ちゃんを一言も褒めずにただ悲しむなんて柚利ちゃんが可哀想だろ。あの子はまだ16歳のお前よりも小さいこどもだったんだから。それに、柚利ちゃんは愛情が足りない状態でお前らに会うまで生活してきた。どれだけ強がっていても、心の方の傷は完全には癒えてなかった筈だ。でも、その傷を少しでも楽にしたのはお前だと俺は思う」
「柚利」
俺は即答した。
柚利が黎淶のみんなに心配かけないように明るく振る舞ってたことを知ってるから…。
「そう、患者本人…いや、柚利ちゃんだよ。柚利ちゃんは体が弱かった。病気の進行だって早かった。それでも侑李や黎淶の奴らと一緒に居たくて、俺に無理を言ってでも入院はせずに薬の服薬だけでずっと過ごしてた」
「柚利が…?」
「柚利ちゃんに出した薬は強いものを出してたからその分の副作用だって半端じゃなかったはずだ。それがどんなに辛いことか、実際に患者にでもならないと正確にはわからない。けどな、その副作用で今まで苦しい思いをしながらあの子は生きてだんだよ。頑張って生きていた柚利ちゃんを一言も褒めずにただ悲しむなんて柚利ちゃんが可哀想だろ。あの子はまだ16歳のお前よりも小さいこどもだったんだから。それに、柚利ちゃんは愛情が足りない状態でお前らに会うまで生活してきた。どれだけ強がっていても、心の方の傷は完全には癒えてなかった筈だ。でも、その傷を少しでも楽にしたのはお前だと俺は思う」