この世界の向こうには
いつまでも観た夢を忘れられない。

そして、毎日観るあの夢に出てくる少女はわたしであり、母親はわたしの実の母。

母親(あの人)は5年前に居なくなった。

ある日、いつものように、痛ぶられ、意識を飛ばし、起きた時にはもう居なかった。

たぶん、失踪したのだろう。

ご近所さんにもわたしの泣き叫ぶ声は聞こえていたようだから。

もしくは、ご近所さんに警察を呼ばれたのかもしれない。

だが、もし警察を呼ばれていればわたしは警察か児童保護施設の人に保護されていただろう。
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