この世界の向こうには
だから、それがなかったと言うことは母親が自ら失踪したんだと思う。

うちには父親は居るが、一度もわたしを助けてくれたことはない。

毎日毎日、わたしが痛ぶられているのを見えないふりをして、何も起こっていないかのように通り過ぎていた。

その父親も、今はもう家に帰ってきていない。

本来ならわたしは今年の4月14日で16歳…つまり高校1年生である。

だが、親の居ない今親戚も知らないわたしに高校なんて通えるはずなかった。

それに、わたしは保育園も幼稚園も小学校も中学校も通った事がない。
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