◇水嶺のフィラメント◇
「うむ……どうやら皆それぞれの主を探しているらしい。レインさまは我々を解放した後、自室へ戻られた筈なのだが見つからないそうだ。それからヒュードル候とその息子であるネビア子爵もな。議会の会合が予定されていたのだが、三人が三人共に理由も告げず消えてしまったため、こんな騒動になってしまったみたいだ。我々も侍従を二人ばかり失神させて衣装を拝借出来たものだから、自分たちが囚われていた地下牢や、議会場の準備室などにも探しに行ったのだが……残念ながらレインさまに同行している筈のイシュケル隊長も見当たらない始末でね」
「うーん……」
四人は一斉に頭脳をフル回転させてはみたものの、不運にもこの王宮に精通する者がいない。
しかし背後の扉が僅かに開き、良いタイミングで三人の助っ人が現れた。
背筋に戦慄を走らせ振り向いた面々の内、パニだけがパッと表情に明るさを取り戻したのは、彼らが見知った者であったからだ。
余り会話はしたことがなかったが、日頃レインを護衛している家臣たちであった。
やがて二人の兵士もそれを思い出してにわかに表情を軟化させた。
「うーん……」
四人は一斉に頭脳をフル回転させてはみたものの、不運にもこの王宮に精通する者がいない。
しかし背後の扉が僅かに開き、良いタイミングで三人の助っ人が現れた。
背筋に戦慄を走らせ振り向いた面々の内、パニだけがパッと表情に明るさを取り戻したのは、彼らが見知った者であったからだ。
余り会話はしたことがなかったが、日頃レインを護衛している家臣たちであった。
やがて二人の兵士もそれを思い出してにわかに表情を軟化させた。