◇水嶺のフィラメント◇
以前のレインさながらに愛嬌のあるウィンクを決め、アンは頬に掛かったレインの髪を寄せてやった。
途端その毛先から金色の粒子が辺りに散らばった。
『本当に天使さまになっちゃったのね……』
『君はまるで天から舞い降りた女神のようだったよ』
レインの掌もアンの頬に触れ、アンは刹那にその頬を赤らめた。
『は、恥ずかしいから、あんまり見ないで……』
長い黒髪がその身を包み込んでくれているが、アンが何も纏っていないことは明らかに見て取れる。
俯きがちに瞳を逸らしたアンの背に、レインは両腕を回して抱き寄せた。
『ごめん……でも、本当に綺麗だ』
『ありがとう、レイン。ずっと……ずっと守ってきてくれて』
水中での口づけも地上で何度も交わした接吻と変わらず、お互いの唇は熱を感じた。
と同時に、レインの全身が髪から漂う金粉に覆われて、やがてそれは彼を覆う衣服と共に消え去った。
『どうやら神は僕たちに「時間」を与えてくれるらしい』
『え?』
まだ理解の出来ぬアンの身体を、今一度優しく抱き締める。
初めて知るお互いの肌のぬくもりに、二人はとろけて泉の水に溶け込んでしまいそうだった。
途端その毛先から金色の粒子が辺りに散らばった。
『本当に天使さまになっちゃったのね……』
『君はまるで天から舞い降りた女神のようだったよ』
レインの掌もアンの頬に触れ、アンは刹那にその頬を赤らめた。
『は、恥ずかしいから、あんまり見ないで……』
長い黒髪がその身を包み込んでくれているが、アンが何も纏っていないことは明らかに見て取れる。
俯きがちに瞳を逸らしたアンの背に、レインは両腕を回して抱き寄せた。
『ごめん……でも、本当に綺麗だ』
『ありがとう、レイン。ずっと……ずっと守ってきてくれて』
水中での口づけも地上で何度も交わした接吻と変わらず、お互いの唇は熱を感じた。
と同時に、レインの全身が髪から漂う金粉に覆われて、やがてそれは彼を覆う衣服と共に消え去った。
『どうやら神は僕たちに「時間」を与えてくれるらしい』
『え?』
まだ理解の出来ぬアンの身体を、今一度優しく抱き締める。
初めて知るお互いの肌のぬくもりに、二人はとろけて泉の水に溶け込んでしまいそうだった。