【短編】赤い瞳に囚われて
赤い瞳に囚われて
黄昏学園生徒会室。
宵闇生と黎明生の優秀な者たちが集められた生徒会メンバーが集まる中、わたしはとても居心地の悪い思いをしていた。
「今年の黄昏祭は魔王の後継者であるリヒト様が参加される最後の年です。盛大に行きましょう」
副会長がそう宣言して、みんなが様々な意見を交わしあう。
その様子を生徒会長であり話題の人物でもあるリヒト・レオナードは、黙って見て――いなかった。
「ほら、夢莉。イチゴもっと食べるか?」
ヘタの部分を持ってわたしの口元に寄せてくる彼に戸惑う。
「あ、あの……」
「ほら、口開けろ」
甘く優しい微笑みで言われているのに、有無を言わせない凄みがある。
だからわたしは逆らえず口を開けた。
「う、はい……ぁむ」
開けた口に入れられたイチゴは甘酸っぱくておいしい。
でも、今の状況を考えるとよくよく味わってもいられない。
「おいしいか?」
そう言ってわたしの顔をのぞき込んでくるリヒトは魔王子なだけあって、人外の美しさを持つ魔族の中でもひときわキレイだった。
サラサラな金糸の髪は闇の中でも光を放ちそうな程キレイで、ルビーのような赤い目はすべてのものを魅了してしまう。
宵闇生と黎明生の優秀な者たちが集められた生徒会メンバーが集まる中、わたしはとても居心地の悪い思いをしていた。
「今年の黄昏祭は魔王の後継者であるリヒト様が参加される最後の年です。盛大に行きましょう」
副会長がそう宣言して、みんなが様々な意見を交わしあう。
その様子を生徒会長であり話題の人物でもあるリヒト・レオナードは、黙って見て――いなかった。
「ほら、夢莉。イチゴもっと食べるか?」
ヘタの部分を持ってわたしの口元に寄せてくる彼に戸惑う。
「あ、あの……」
「ほら、口開けろ」
甘く優しい微笑みで言われているのに、有無を言わせない凄みがある。
だからわたしは逆らえず口を開けた。
「う、はい……ぁむ」
開けた口に入れられたイチゴは甘酸っぱくておいしい。
でも、今の状況を考えるとよくよく味わってもいられない。
「おいしいか?」
そう言ってわたしの顔をのぞき込んでくるリヒトは魔王子なだけあって、人外の美しさを持つ魔族の中でもひときわキレイだった。
サラサラな金糸の髪は闇の中でも光を放ちそうな程キレイで、ルビーのような赤い目はすべてのものを魅了してしまう。