『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー
暗闇に目が慣れてきて
いつもの天井が見える
いつものベッド
いつもの布団
隣に歌笑がいる
スー…スー…スー…
歌笑の寝息が聞こえる
寝たんだ
うつ伏せで
オレの方に顔を向けてた
かわいい
電気つけたい
オレの緊張ムダだったな
なんかちょっと期待してた
歌笑が泊まりに来るって言った時から
結局
卒業式に最後にしてから
してない
その後いろいろあって
付き合うことになったわけだけど
あれから2ヶ月ぐらい経つ
歌笑不足
付き合ってから
まだ1回もしてない
別にそれしか考えてないわけじゃないけど
それが目的で
歌笑と付き合ってるわけじゃないけど
付き合ったらやっぱり
自然とそーなるじゃん
歌笑と
したい
歌笑は
そぉ思わない?
隣にいる歌笑の手を
そっと握った
柔らかくて温かい
歌笑としたこと思い出した
歌笑の恥ずかしそうな顔とか
初めて触った女の子のカラダ
ふたりとも熱くなって
肌と肌がとけてくみたいにくっついて
ドクン…
ヤバ…
オレ
繋いだ手が
熱くなる
「それじゃ…足りない…」
え…
隣の歌笑から聞こえてきた
寝言?
「それじゃ足りない」
「歌笑、起きてる?」
「うん…」
暗闇の中
歌笑の目が開いたのがわかった
「杉山言ってたよね
高校の時、大会で杉山2位で
ホントは1位とれた時
…
アレじゃ足りないって…
…
先生の気持ち足りないって…
だからわざと1位とらなかったって…」
「あー…覚えてた?
オレ、ホント子供だったわ」
「ホントに先生のこと
好きだったんだね…」
「ん…」
「その後、杉山が大会で1位とって
杉山すごいな…
頑張ってるな…って…
…
でも…
杉山、先生とキスしたのかな…?
とか、心配になった」
「え、そんなこと…
先生とは何もなかったよ
相手にされなかった」
「ふーん…」
「歌笑、疑ってる?」
「んー…
杉山、ホントに私のこと好きかな…
まだ先生のこと好きかな…って…
ちょっと不安になる
…
私も、コレじゃ、足りない」
握った歌笑の手が握り返してきた
「キスしたい
…
今日
してくれなかった
…
キスしてよ
…颯…」
ドクン…
歌笑の甘い声が
オレを呼んだ
「歌笑…」
電気の消えた部屋
歌笑を手で確認しながら
ゆっくり唇を重ねた
ーーー
暗くて視界が制限さてれるぶん
歌笑を感じる
「歌笑…好きだよ
信じて…」
「うん
好き…颯…好き…」
ーーー
歌笑から唇を重ねてきた
「ずっと…好きだったよ…
杉山の時から、ずっと…」
歌笑かわいい
「今も、杉山だけどね…」
「うん、じゃあ…
これからも、ずっと好き…」
ーーーーー
「おやすみ、杉山」
え、結局寝るんだ
なんだよ
結構辛いけど
これで寝るの
スー…スー…スー…
「おやすみ、歌笑」
鎮まれ
オレ
1日目
終了