『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー
「はー…お腹いっぱい
杉山ラーメン好きなんだね」
「好きってわけじゃないけど
歌笑がラーメンでいいって言うから…
やっぱりカフェにすれば良かっただろ」
「んーん…おいしかったよ
私もあそこのラーメン好きだよ」
「だから、あそこのラーメンは
地元でもどこでも食べれんじゃん」
「うん
杉山と向こうにいるみたいで良かったよ」
こっちに来る前
向こうではほとんど
一緒に出掛けたことなんかなかったもんな
「じゃあ、観覧車行く?
歌笑、疲れてない?まだ歩ける?」
「うん、歩けるよ」
夜景まで少し早いけど
まぁいいか…
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「あ、なんか聴こえる」
「あー、あそこ
よく路上ライブやってるよ
時間あるし寄ってく?」
「うん!」
ちょっと広い公園に
人だかりができてた
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歌笑は歌が好きで
一緒に路上ライブ行ったことがある
オレはあまり興味なかったけど
歌笑がオススメしてくれたから
今は土手を走る時
その曲を聴いてる
歌笑も聴いてるかな?
歌笑は今日何してたかな?って
その曲を聴きながら
歌笑を想う
「歌笑、あれから路上ライブ行ってる?」
「んーん…杉山と行ってから行ってないよ」
ちょっと安心した
歌笑が路上ライブの人と
どーかなったらヤダな…とか
考えすぎかもしれないけど
ファンとどーこーって
なくはない話
オレは歌笑の近くにいないわけだし
何も言えない
歌笑を信じられないオレって
どーなのかと思うけど
離れてると
不安になる