『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー

「颯、今日もカッコよかったよ」



「まかせて!」



「ねー、来月花火大会あるって!
駅にポスター張ってあった」



「歌笑、来れるの?」



「行きたいな…花火大会」



「オレに会いたいって
素直に言ってよ」



「うん…会いたい…
泊まってもいい?」



「花火、夜だしね…
泊まるしかないじゃん」



「もぉー、素直に泊まっていいって
泊まりに来てほしいって言ってよ!」



「素直に言うと…
このままずっと帰らなきゃいい」



「それ反則!」



「歌笑、照れた?」



「もぉー…」



「歌笑、花火大会浴衣着てよ」



「まだ夏じゃないよ」



「夏まで待てない
浴衣着て、また一緒に写真撮ろうよ
動物園で撮った写真
ゴリラ写り混んでるし…」



「アレは、わざと入れたんだよ」



「ゴリラ気になって
歌笑に集中できない」



「颯、夏休み帰ってくるよね?
私も夏まで待てないかも…」



「あ、花火大会のあと
また陸上の大会あるけど…」



「じゃあ、それも来る
あ、夏は海行こうね!」



「うん、海もいいけど
泊まりで旅行とか行きたいな…って…」



「私も思ってた!」



「今日さ…
してもいい?」



「なに?」



「そこは、この流れで
私も思ってた♡だろ」



「こんなところで言えない」



「歌笑、好き」



「私も…」



ーーーーー



「颯、好き」



オレたちの恋は

始まったばかり



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