『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー
「歌笑ー!」
隣の駅まで走った
西口の階段の下に立ってる歌笑が見えた
変わらない
変わらずかわいい
「ごめん、杉山(すぎやま)」
歌笑が
近くにいる
「、、、いいよ、、よかった、、、
無事、着いて、、、」
「久々、杉山の走ってる姿見れた」
「うん、、早く、、会いたかった、、、」
「うん、私も…」
久しぶりに会えた歌笑
かわいい
歌笑の薄茶に染めた髪が
光に透けて風になびいた
「髪の色、似合ってる」
「女子大生ぽいかな…って…」
「ハハ…女子大生ぽいわ」
「杉山、髪切ったね
なんか、いつもと違うね」
「いつもと違う美容院だからかな…
昨日こっち来て初めて美容院行った」
「似合ってるよ」
それぞれの環境で
少しの変化
1ヶ月でも
微妙に変わる
「荷物、持つよ、、」
「ありがと」
歌笑のスーツケースを引きながら歩いた
「あ、なんかどこか寄る?
お昼まだ食べてないだろ」
「うん、でもそんなお腹空いてない
荷物あるし、杉山のアパート行こう」
「え、あーそーだね…
とりあえず、そーしよっか…」
歩くたび
歌笑の髪が揺れる
とりあえず
歌笑が
かわいい