クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない
翌週の日曜日に多岐川さんのご両親にご挨拶した。
とても感じのいいご両親で、すぐに私を美波ちゃんと名前で呼んでいただけた。
30歳になる修吾さんに結婚の気配が全くなかったため心配していたそう。
それでお見合いの話を持ってきていたが全て断ってしまうので頭を悩ましていたと話していた。
「こんなに可愛い美波ちゃんがいるなら修吾も早く言ってくれたら良かったのに。そうしたらお見合いの話なんてしなかったわよ」
「美波に結婚の了承をもらえるかわからなかったからな」
そう言うと彼は私の顔を見て微笑んできた。
ちょっと!
まるで私に惚れていると言わんばかりの発言に私は顔が火照る。
けれどその様子がまたご両親にとっては仲睦まじく見えたのか喜んでいた。
「美波ちゃん、堅物な息子でいいのか?」
お義父さんやお義母さんが心配そうに聞いてきた。
「はい。誠実で優しい修吾さんについていきます。でもお二人は私でいいんでしょうか?学歴も肩書きもないのですが」
「大歓迎よ。修吾が選んだ人ですもの」
嘘が塗り重なるようで心苦しいが私は作り笑いでその場を凌ぐ。
修吾さんが取り出してきた婚姻届の保証人欄にお義父さんのサインをいただき、帰りにうちの父のサインをもらって明日提出することとなった。
「明日からは多岐川美波ちゃんね!」
お義母さんからそう言われてもまだ実感は湧かない。
「修吾、婚約指輪はどうしたのよ!美波ちゃんに買ったの?」
ふと私の左手に視線を落としたお義母さんが声を張り上げた。
もちろんそんなものは用意していないし、そもそも必要のないもの。
なんて返事をしたらいいのか困っていると修吾さんが、
「美波が遠慮してるんだ。俺は買ってあげたいんだけど」
私のせいにしてくる彼を横目に見つつ私はご両親に、
「滅多に使わない婚約指輪より、2人のこれからの生活に使いたいと思って」
「なんて倹約家なの? 美波ちゃん健気で可愛いわ。でもちゃんと買ってもらいなさい。結婚指輪と一緒にね」
お義母さんはウインクしながら私たちを見てきた。
こんな可愛らしいお義母さんで羨ましいけれど修吾さんはため息混じりで話を流していた。
とても感じのいいご両親で、すぐに私を美波ちゃんと名前で呼んでいただけた。
30歳になる修吾さんに結婚の気配が全くなかったため心配していたそう。
それでお見合いの話を持ってきていたが全て断ってしまうので頭を悩ましていたと話していた。
「こんなに可愛い美波ちゃんがいるなら修吾も早く言ってくれたら良かったのに。そうしたらお見合いの話なんてしなかったわよ」
「美波に結婚の了承をもらえるかわからなかったからな」
そう言うと彼は私の顔を見て微笑んできた。
ちょっと!
まるで私に惚れていると言わんばかりの発言に私は顔が火照る。
けれどその様子がまたご両親にとっては仲睦まじく見えたのか喜んでいた。
「美波ちゃん、堅物な息子でいいのか?」
お義父さんやお義母さんが心配そうに聞いてきた。
「はい。誠実で優しい修吾さんについていきます。でもお二人は私でいいんでしょうか?学歴も肩書きもないのですが」
「大歓迎よ。修吾が選んだ人ですもの」
嘘が塗り重なるようで心苦しいが私は作り笑いでその場を凌ぐ。
修吾さんが取り出してきた婚姻届の保証人欄にお義父さんのサインをいただき、帰りにうちの父のサインをもらって明日提出することとなった。
「明日からは多岐川美波ちゃんね!」
お義母さんからそう言われてもまだ実感は湧かない。
「修吾、婚約指輪はどうしたのよ!美波ちゃんに買ったの?」
ふと私の左手に視線を落としたお義母さんが声を張り上げた。
もちろんそんなものは用意していないし、そもそも必要のないもの。
なんて返事をしたらいいのか困っていると修吾さんが、
「美波が遠慮してるんだ。俺は買ってあげたいんだけど」
私のせいにしてくる彼を横目に見つつ私はご両親に、
「滅多に使わない婚約指輪より、2人のこれからの生活に使いたいと思って」
「なんて倹約家なの? 美波ちゃん健気で可愛いわ。でもちゃんと買ってもらいなさい。結婚指輪と一緒にね」
お義母さんはウインクしながら私たちを見てきた。
こんな可愛らしいお義母さんで羨ましいけれど修吾さんはため息混じりで話を流していた。