クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない
帰る途中、肉屋の前で揚げたコロッケを見かけた。
仕事が忙しかった時に帰りに買って行くと修吾さんは美味しいと言ってくれたな、とふと思い出した。揚げ物のにおいが鼻について食べられなかったが今日からは無性に食べたくなり肉屋に近寄ろうと思うと後ろから声がかかった。
「美波。俺もコロッケが好きだよ」
驚いて私が振り返るとそこにはTシャツの上に紺のジャケットを羽織った私服の修吾さんが立っていた。
「お義母さんが出かけてるって言ってたから近くを探してたんだ」
久しぶりに見た優しい表情の修吾さんに喉の奥がぎゅっと締め付けられた。
「なんで? ここにいるの?」
「久しぶりに会った夫にそんなこと言うなんて冷たいな」
怒った様子もなく、どこか戸惑っているような表情を浮かべる修吾さんの初めて見る顔だった。
「コロッケ買うのか?」
修吾さんの言葉に我に返った。
「あ、うん。でもいいや」
「そうか。少し歩かないか?」
彼はそう言うと私の少し前を歩き始めた。
仕事が忙しかった時に帰りに買って行くと修吾さんは美味しいと言ってくれたな、とふと思い出した。揚げ物のにおいが鼻について食べられなかったが今日からは無性に食べたくなり肉屋に近寄ろうと思うと後ろから声がかかった。
「美波。俺もコロッケが好きだよ」
驚いて私が振り返るとそこにはTシャツの上に紺のジャケットを羽織った私服の修吾さんが立っていた。
「お義母さんが出かけてるって言ってたから近くを探してたんだ」
久しぶりに見た優しい表情の修吾さんに喉の奥がぎゅっと締め付けられた。
「なんで? ここにいるの?」
「久しぶりに会った夫にそんなこと言うなんて冷たいな」
怒った様子もなく、どこか戸惑っているような表情を浮かべる修吾さんの初めて見る顔だった。
「コロッケ買うのか?」
修吾さんの言葉に我に返った。
「あ、うん。でもいいや」
「そうか。少し歩かないか?」
彼はそう言うと私の少し前を歩き始めた。