クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない
多岐川さんと駅で別れると私は久しぶりにショッピングへ出かけた。
今日服を決めるのに由梨子の助けを借りたが毎回そういうわけにはいかない。
明日また彼と会うためにも洋服は必要だと思い何着か購入した。
彼の隣に並ぶのに恥ずかしくないキレイめなものを揃えるとショップバッグで両手がいっぱいになった。

家に帰ると由梨子が話を聞きたくて待っていたがたくさんの荷物を見て、買い物に行っただけなの?と言われ興味が失せてしまったようだった。

ベッドでゴロゴロしながらついスマホを手にして彼からの連絡を待ってしまう。

21時を過ぎて彼からのメッセージが届いた。

【今日は途中で悪かった。明日は休みが取れた。また11時でいいか?】

【お疲れ様です。明日11時で大丈夫です。駅で待ち合わせにしてもいいですか?】

まだ何も決まっていないのに毎日家の前まで来られると誰が見てるか分からない。
それに迎えに来られることに慣れていない私はなんとなく恥ずかしくて、駅で待ち合わせの方が気が楽になる。

【分かった】

彼のメッセージはいつも端的で必要なことだけ。
まるで仕事のようだなと思うがある意味仕事の延長線上なのでこんなものなのかもしれない。
付き合っているわけではないから甘いメッセージが届くわけがない。
そう考えると乾いた笑いが込み上げてきた。

「あーあ。私、どうなっちゃうんだろ」
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