あの日の返事をもう一度。
 「……よ。」

 「なに?」

 「私が好きなのは、はーちゃんだよっ!」

 目に涙を溜めて、今まで話してきた中で、一番大きな声でそんな自分に都合のいい言葉が聞こえた。

 「前から…ずっと…はーちゃんだけなんだよっ…嫌われても、無視されても、幼馴染じゃなくて腐れ縁になっても…はーちゃんが…だれかと付き合ったとしても…私には…はーちゃんだけなの!!」

 「麻央…」

 「ずっと、ずーっと…好きなの…」

 「……」

 「だから、よかったな、なんて、言わないでよ…」

 掠れ切った声で麻央は言った。
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