あの日の返事をもう一度。
 「いや、ヤメロ」

 「え…ヤダ?」

 うるうるとした目で上目遣いをする麻央。

 うっ…!かわいい…

 「いや…というか『ちゃん』は流石に…」

 (主に)クラスの奴らにからかわれる予感しかしねえ。

 「じゃあ、はーくんだったらいい?」

 期待した眼差しで俺を見つめる麻央。

 「まあ、それなら…」

 「はーくんて呼ぶ!」

 満面の笑みを浮かべる麻央に俺の胸は幸福感に包まれる。
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