あの日の返事をもう一度。
 『せっかく当て馬になってやったんだから、もう泣かせんなよ』

 隼人とのトークに移動して、そう送信する。

 少しして

 『努力はする』

 淡々とした文が返ってきた。

 「隼人らしいな」

 絶対泣かせないとか言わないあたりが。

 「幸せになれよ」

 小さくつぶやいた俺の口は弧を描いていた。

 「はーっ!俺も彼女ほしい!」

 「うるさいよ!馬鹿斗真。」

 家に着いたばかりの俺を隣に住む幼馴染の奏音の辛辣な言葉が迎える。
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