ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜
今まで立ち入ったことない、ものすごく大きなガラス張りのビル。
少し前、道に迷っていた男の人を案内したときのビルよりも、もっともっと高くて見上げたら首が折れちゃいそう。
ビルの中に入ると、エントランスもすごく広くて、受付の女の人が未紘くんに向けて深くお辞儀をしてる。
未紘くんは「どーも」なんて軽く挨拶してるけど。
エレベーターの前に着くと、30代くらいのスーツを着て髪をひとつにまとめた品のある女性がいた。
「未紘様お久しぶりですね。お待ちしておりました」
「高梨さんどーも。お久しぶりです」
「何ヵ月ぶりでしょうか。こうして会社でお顔を合わせるのは」
「だって別に父さんに用事ないし」
「社長が聞かれたら落ち込まれますよ。たまには未紘様のお顔が見たいとぼやいておりますから」
この綺麗な女の人は会社の人なのかな。
未紘くんとすごく親しそうに話してるし。