ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜



「なんで、抱きしめるんですか……っ」

「んー……なんか本能的に?」


ほ、本能的? 言ってることがよくわかんない。


初対面の男の子にこんなことされて、嫌なら突き放せばいいのに。


不思議と嫌な感じがしなくて……むしろ、もっと触れ合いたいって……何かに強く惹きつけられてる衝動。


「ねぇ、もっと俺のこと見て」



ちょっと頬に触られただけなのに身体がものすごく反応して、さらに心臓がバクバク音を立ててる。


「……名前教えて」

「硴水……湖依、です」


「湖依ね。俺は青凪(あおなぎ)未紘(みひろ)。ちゃんと覚えて」


見つめ合って、触れられて……身体がちょっとずつ熱くなってきてる。


自分の心音が耳元に響くくらい、ものすごく激しく脈打って。


今度は息がだんだん苦しくなって呼吸がしづらい。


「はぁ……っ、ぅ……」


身体から力も抜けてきてクラクラする。

自分の身体じゃないみたい。

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