ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜



身体をくるっと回されて今度は正面から強く抱きしめられて。


「俺さ湖依のそういう優しいとこ……すごく好き」


いま好きって2文字が妙にはっきり聞こえて。


心臓がドキッと大きくわかりやすく跳ねた。


きっと何気なく言っただけで――そんなに深い意味はないはずなのに。


不意打ちはものすごく心臓に悪い。


それにわたしの心臓さっきよりもすごく騒がしくなってるの、どうして?


「……心臓の音すごいね」


これは、未紘くんがそばにいるからドキドキしてるの?


それともさっき未紘くんが何気なく好きって言ったことにドキドキしてるの?


「未紘くんのせい、です」

「なんで俺のせいなの?」


未紘くんの危険なスイッチが、カチッと入っちゃったような気がする。

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