ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜
「おや、未紘くんじゃないか。久しぶりだね」
「お久しぶりです」
未紘くんよりもずっと年齢が上の人たちが、未紘くんに気づくと声をかけてきたり。
わたしはただ黙って会話を隣で聞いてることしかできないけど。
未紘くんは自分よりもずっと年上の……おそらく会社関係の人と対等に話をしてる。
会話が途切れないし、未紘くんの受け答えもスラスラ出てくるからすごい。
普段のゆるい未紘くんからは想像できないくらい。
自分が知らない未紘くんの一面を見て……素直にすごくかっこいいって思った。
「……少し挨拶回りしろって父さんから連絡来た」
「あっ、そうですよね」
未紘くんがそばにいないと不安だけど。
でも、こんなところでわがままは言っちゃダメだし。
少しの間なら会場の隅でひとりで過ごせるかな。