ご主人様は、専属メイドとの甘い時間をご所望です。〜無気力な超モテ御曹司に、イジワルに溺愛されています〜
「えっと、あとで片づけはちゃんとします」
「またケガしたら大変だから俺がやるよ」
「で、でも……っ」
「ご主人様の言うことはぜったいでしょ」
それを言われちゃうと、返す言葉がなくなっちゃう。
結局お言葉に甘えることになってしまった。
「はっ……! というか、あのお皿すごく高価なものですよね……!?」
ここにあるものはどれも見るからに高そうな物ばかり。
今さらだけど割ってしまったお皿もかなり高いものだったんじゃないかって。
「……どーだろ。あんま気にしたことないけど」
「ごめんなさい……。弁償できるものであれば――」
「いーよ、皿のことなんか気にしなくて。それより湖依が大きなケガしなくてよかった」
失敗を怒るどころか、わたしの心配をしてくれるなんて。
それにすごく丁寧に完璧に処置をしてくれた。
普段から何を考えてるかわからなくて、甘えるばかりの未紘くんだけど。
「……痛くない?」
「だ、大丈夫です」
こういう優しいところもあるんだって、あらたな一面を知れたような気がする。