こばとヴィレッジで夢を叶えましょう~ある革職人の恋のお話~
季節はすすみ、二月も残り少なくなった。
『こばとヴィレッジ』は寒い中でも、賑わっている。
つい先日、地元のテレビ局の情報番組で紹介されたこともあって、お客様がどっと増えたのだ。
小春も料理を作る姿を撮影されて、引き攣りながら頑張った。
源基は元々目立ちたがりなので、レポーターの女の子と大盛り上がり。
「お兄さん楽しい人ですね!」と言われてご満悦だ。
ケイへのお弁当の配達は続けていて、また小春の毎日は『ケイにご飯を食べさせる』ことを中心に回っている。
知ってしまったことを知らなかったことにはできないが、気づいてしまった気持も消せるものではない。
誰か他に好きな人ができればいいけれど、それこそ簡単にできるわけがなかった。