こばとヴィレッジで夢を叶えましょう~ある革職人の恋のお話~
「桜木!?」
「サラは双子の妹だよ。まさかそのことを知らない人がヴィレッジにいるとは思わなかった…」
茫然自失でケイを見る。
憮然とした顔のケイに「ごめんなさい…」と小さな声で謝った。
ケイがプッと吹きだし、クスクスと笑い始めた。
「一世一代の告白なのに、めちゃくちゃだ」
小春はばつが悪そうに下を向いた。
「小春ちゃん」
呼びかけられて顔を上げる。
ケイは正面から真っすぐに小春を見ていた。
「キミが作る料理も、料理を作ってるキミも大好きだよ。このカバン受け取ってもらえるかな?」
止まった涙が再び零れ落ちる。
「私も。ケイさんが作るカバンも、カバンを作るケイさんも大好きです」
小春は何度も頷き、カバンを強く抱きしめた。