こばとヴィレッジで夢を叶えましょう~ある革職人の恋のお話~

給食室カフェでは、いま、『水・金・日』に小春の二つ上の人が『フルール ドゥ スリズィエ』というオシャレな名前のフレンチのお店を出しているそうだ。

『こばとヴィレッジ』でフレンチ!

驚いたが、有名フレンチ店の娘さんと聞いて納得する。
気軽に食べられるフレンチがとても人気ということだ。

「小春ちゃんが出店するのは『火・木・土』になるけれど。それで構わないかい?」
「もちろんです!」

意気込んで小春は答えた。

「どんなお店にしたいんだい?」
「普通のご飯が食べられるお店。いわゆる家庭料理のお店にしたいと思っています」

小春は持ってきたファイルをゴソゴソ取り出した。

ご飯と汁物とおかずが三品。一汁三菜をカフェスタイルで。
和食であったり、洋食であったり、おかずはいろいろで、家庭で食べられるようなものを小春なりにアレンジして出してみたいのだ。

試作した料理の写真を村長さんに見せる。
サバの味噌煮をメインにした定食風のものと、ポテトコロッケをメインにしたワンプレートのカフェ風のもの。

村長さんは眼鏡をずり上げて、ふんふんと頷きながら見てくれた。

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