十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
「……もしかして、怒ってる?」
何に、とは聞かなかった。
それはお互い、イメージできる出来事は同じだと思ったから。
「それは、お前の方だろ?」
「どう言うこと?」
理玖は、私の左小指からそっと手を離した。
かと思えば、そのまま今度は左手を包むように握ってきた。
「り、理玖……!?何して……」
「あの日、こうやってお前を掴んでいれば……お前はまだ、俺の隣にいたのか?」
「ねえ、理玖?離して」
「嫌だ」
「理玖、ねえ、お願い離して!」
このままだと、私は理玖から離れられなくなってしまう気がした。
理玖は、決して手を離そうとはしてくれない。
代わりに今度は彼の右手で、私の頬に触れてきた。
どんどん熱くなっていく私の頬が、理玖に気持ちを伝えてしまいそうなのが、怖い。
何に、とは聞かなかった。
それはお互い、イメージできる出来事は同じだと思ったから。
「それは、お前の方だろ?」
「どう言うこと?」
理玖は、私の左小指からそっと手を離した。
かと思えば、そのまま今度は左手を包むように握ってきた。
「り、理玖……!?何して……」
「あの日、こうやってお前を掴んでいれば……お前はまだ、俺の隣にいたのか?」
「ねえ、理玖?離して」
「嫌だ」
「理玖、ねえ、お願い離して!」
このままだと、私は理玖から離れられなくなってしまう気がした。
理玖は、決して手を離そうとはしてくれない。
代わりに今度は彼の右手で、私の頬に触れてきた。
どんどん熱くなっていく私の頬が、理玖に気持ちを伝えてしまいそうなのが、怖い。