十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
私たちが、指輪を買うために選んだ街は、表参道。
おしゃれな雑貨店やアパレルショップがたくさんあるから、どこか1つくらいは条件に合う店があるだろうと、中野さんが提案した。
私は、仕事の関係で渋谷に行くことは多かったが、道1つで繋がっているにも関わらず表参道には来たことが無かった。
なのでこの日は、観光客にでもなった気分で中野さんについて行った。
中野さんは表参道に慣れているのか
「この道には、文房具も売っている面白いカフェがあるんだ」
「この道を通り抜けると、外国に近い雰囲気に変わるんだ」
など、知っている知識を与えてくれた。
教えたがりなところも、中野さんが兄貴と慕われる由来なのだろう。
もし私に兄という存在がいたら、こういう感じだったのかな……と妄想しながら、私は中野さんの話に相槌を打つのに徹底した。
私にとってこの人の機嫌を損ねてしまうことだけは、どうしても避けなくてはいけなかったから。
直属の上司だから、という理由もあるが、何よりも今の私は、目的を達成するためだけに、全てを賭けることに決めていた。
そういう意味でも、ある意味気心知れているこの人が、このプロジェクトの相手で良かったと、心の底から思う様にしている。
おしゃれな雑貨店やアパレルショップがたくさんあるから、どこか1つくらいは条件に合う店があるだろうと、中野さんが提案した。
私は、仕事の関係で渋谷に行くことは多かったが、道1つで繋がっているにも関わらず表参道には来たことが無かった。
なのでこの日は、観光客にでもなった気分で中野さんについて行った。
中野さんは表参道に慣れているのか
「この道には、文房具も売っている面白いカフェがあるんだ」
「この道を通り抜けると、外国に近い雰囲気に変わるんだ」
など、知っている知識を与えてくれた。
教えたがりなところも、中野さんが兄貴と慕われる由来なのだろう。
もし私に兄という存在がいたら、こういう感じだったのかな……と妄想しながら、私は中野さんの話に相槌を打つのに徹底した。
私にとってこの人の機嫌を損ねてしまうことだけは、どうしても避けなくてはいけなかったから。
直属の上司だから、という理由もあるが、何よりも今の私は、目的を達成するためだけに、全てを賭けることに決めていた。
そういう意味でも、ある意味気心知れているこの人が、このプロジェクトの相手で良かったと、心の底から思う様にしている。