十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
「聞いても良いか?」
「今度は何?」
「いつ、結婚を決めたんだ?」
「…………ついこの間」
「それで、1ヶ月後に結婚指輪が必要なのか?」
「ちょっと、事情があってね」
「そうか」
事情、のことは聞かないでいてくれた。
そういうところも、理玖の良いところ。
私が好きな理玖の1つ。
「最後にもう1つ、わがまま言っても良いか」
「どうぞ」
「もっと早く再会したかった」
「それ……は……」
「はは、冗談だ」
それが、冗談ではないことは、声色で分かってしまったが、聞かなかったフリをした。
「それより美空」
理玖は上半身裸のまま、むくりと起き上がり、近くに置かれていたスケッチブックを私に渡した。
「ほら。描けよ。お前がつけたいと思うピンキーリング」
「でも……」
もう、何年もデザインなんてしていない。
それに、そもそも結局ちゃんとアクセサリーのデザインを勉強していない。
どういうデザインであれば、ちゃんと形になるのか、今の私には分からない。
そんな事を考えていた私の気持ちを、理玖は読み取ったのだろうか。
「任せろ。お前の理想を、俺が必ず実現させる。それともお前は、俺の実力を信じられないのか?」
「今度は何?」
「いつ、結婚を決めたんだ?」
「…………ついこの間」
「それで、1ヶ月後に結婚指輪が必要なのか?」
「ちょっと、事情があってね」
「そうか」
事情、のことは聞かないでいてくれた。
そういうところも、理玖の良いところ。
私が好きな理玖の1つ。
「最後にもう1つ、わがまま言っても良いか」
「どうぞ」
「もっと早く再会したかった」
「それ……は……」
「はは、冗談だ」
それが、冗談ではないことは、声色で分かってしまったが、聞かなかったフリをした。
「それより美空」
理玖は上半身裸のまま、むくりと起き上がり、近くに置かれていたスケッチブックを私に渡した。
「ほら。描けよ。お前がつけたいと思うピンキーリング」
「でも……」
もう、何年もデザインなんてしていない。
それに、そもそも結局ちゃんとアクセサリーのデザインを勉強していない。
どういうデザインであれば、ちゃんと形になるのか、今の私には分からない。
そんな事を考えていた私の気持ちを、理玖は読み取ったのだろうか。
「任せろ。お前の理想を、俺が必ず実現させる。それともお前は、俺の実力を信じられないのか?」