俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
「珠里!一からちゃんと説明しなさい!」
普段は温厚なお父さんの怒鳴る声が部屋に響った。
立ち話はなんだと、部屋で話し合う事になったのだけど。
「珠里が本当にこのマンションに住んでるなんて凄いじゃない!?お父さんもちょっとは喜びなさいよー」
「これが落ち着かないでいられるか!大事な娘が突然妊娠してたんだぞ?」
「結婚はまだかーって、昨日ビール飲みながら笑ってたじゃない……」
「それとこれとは話が別だろう!」
お母さんとお父さんのやり取りに、ヒヤヒヤしてしまう。
だけど、前に春多くんプライベート空間に他人に入られんの嫌いって言ってたのに、こんな頻繁に訪問者が来て大丈夫かな。
「待って、春多くんは悪くないの!私が勝手に……て、ごめんね、うちの親がいきなり来ちゃって……」
「珠里さんのご両親は家族も同然だし、挨拶が遅れちゃった俺が悪いから」
「でも……」
椅子の数が足りないから、直接フローリングに4人座る中。春多くんが私をふわりと抱き上げ、ダイニングテーブルの椅子に座らせた。
「珠里さんはこっち。身体冷やしちゃいけないだろ?」
額と額がコツンとくっつけて、顔を近づかせるから熱が一気に上がった。