俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
上半身を反転して勢いよく振りかえって、もう1度大きな声を出す。
「本当だと思うし、本当にするし!!」
すぐ前には、目をパチパチとさせ驚く姿の春多くんがいた──。
「俺さぁ、あんたのそういうところ結構好きだよ?」
フッと目を細めて優しい笑顔を見せて、少し乱暴に頭を撫でられるから、胸がギュッとなる。
男の人にしては細くて白い首筋に手を伸ばして、絡めて、自分から距離を縮めた。
春多くんの柔らかい唇にキスを落として、そのままパクリと含んだ。下唇を吸い上げると、至近距離で目と目が合う。
「珠里さんからしてくれんの、はじめてじゃん」
「だって、春多くんと凄くキスしたかったんだもん」
「うわ、それ誘ってんの?」
「さ、誘ってるって言ったらどうする?」
春多くんの膝の上に股がったままもう一度キスを落とすと、春多くんの大きな溜め息が顔にかかる。
「だからさー、安定期入ってからって言ったじゃん……」
「えっと……するんじゃなくて、その…ちょっとだけイチャイチャしたいだけだし」
「…………」
「ちょっとだけでいいから、ね?」
シュンと首を傾げれば、春多くんが悩ましげな息を吐いてから言い辛そうに口を開いた。
「…………んん、じゃぁ、ちょっとだけ俺のことも慰めて」
「うん、いいよ……」