俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
「だってー」
頬を膨らませれば、愛情たっぷりな目を向けるから胸がくすぐったい。と、思ったら──
「胸も大きくなったよなー」
「や、ちょっと……もぉ」
ニヤニヤと笑う春多くんの手が私の胸元をしっかりとガードしていた。
「それで、何人がいいの?」
「……2人は欲しいな。俺、異母兄弟は何人かいるけど、結局1人っ子みたいなもんだから」
「そ、うなんだ……。えっと、家は?どんな家に住みたい?」
「……珠里さんは?」
「私は庭付きの家がいいなぁ。子供2人だったら、犬も飼いたい!」
「ゴールデンレトリバー?」
「そう!!」
「ふはっ、定番じゃん!」
「けど、このマンションは出てきたくないなぁ。職場も近いし居心地も良いし……」
「うん。でも、ここアイツ名義だし…いつかは出てかなきゃいけないんだよな」
「そっか。そうなんだ」
私の頭を撫でる大きな手が心地好くて嬉しいのに、春多くんの言葉に寂しくなるけど。
肌と肌が触れ合ってギュッと抱き締められると、なんでこんなに温かくて幸せな気持ちになるのかな。