俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~



いっぱい、いっぱいキスをした。

扉がパタンと閉じると同時に、何度も繰り返される甘くてとろけるキスが降り注がれる。
春多くんの柔らかい唇が触れる度に、胸がギュッとなった。




「優しくするから」

「……うん」


小さなシャンデリアが天井の真ん中にあって、立派なソファとローテーブル、床に敷かれた絨毯でさえ、全てが豪華でまるでお城みたいなお部屋。

お姫様抱っこをされて、ゆっくりと大きなベッドに下ろされると。ギシッとスプリングが軋む音が部屋に響いた。



「ねぇ、あはっ……くすぐったいよ?」

「んー…」


全身を撫でるようにキスを落としていくから、恥ずかしいようなもどかしい気持ちになっていく。
額を合わせて、目と目が合って、笑い合う。



「ねぇ、脱がなきゃ駄目?」

「うん、駄目」


真剣な目をした春多くんが即答するから、思わずプッと笑ってしまった。



「シャワー浴びたい」

「終わってから一緒に風呂入ればいーじゃん」

「えと、お腹出てるし恥ずかしい…」

「もう見てるよ」

「でもっ、」


お互いの裸なんてもう見た筈なのに。やっぱりまだ抵抗があって、恥ずかしぶってしまう。



「あんたも、あんたのお腹も愛してやるよ」

「……っ、」


春多くんの細い腰も、腕もお腹も、全部、自分のものにして触れたくて堪らない。

ギュッと抱き締めて、ずっとこのままでいたい。



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