俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~



「辛かったから、すぐ言って」

「うん、だ、大丈夫」

「珠里さん、可愛(かーわ)いっ」

「わ、私、春多くんのこと凄く好き…」

「俺も好きだよ。すっげー、好き。愛ってこんな感じなんかな?」

「あはっ、私も愛を感じる」

「あんたは、ずっと俺の隣で笑ってて」


春多くんが少し辛そうに笑うから、今日はじめて会った春多くんのお母さんを思い出した。
お母さんも春多くんの幸せを願ってるよ。なんて簡単には言えないけど、絶対に願ってるからね。と、泣きそうになりながらこの子の頭をガシガシと撫でた。




「うん、約束する!春多くんも私の隣で笑っててね!!」


春多くんの腕の中、お互いの汗でよりぴったり密着できる感じで、凄く落ち着く。規則正しい心臓の音が耳に響いて、好きだなーと波が押し寄せてくる。

はじめてでも無いし、前にも春多くんとしてるし、純粋ぶってるつもりもないけど。

本当に、今までで最高で1番幸せな夜──。







「お腹、平気?体調悪くない?」


春多くんは私の体を心配して、凄く丁寧に行為を進めてれた。
ダルさも、辛さもなくて、じわじわと幸せが愛しさが浸透していく。そんな感じ。



「ねぇ、春多くん。私ね、今……凄く幸せだよ?」

「うん、俺も」


春多くん自身を体に感じることができて、凄く気持ち良かった。色んな表情の春多くんを知れて嬉しかったし、こんなに心が満たされた事なんて、今まで無かったよ。



< 131 / 164 >

この作品をシェア

pagetop