俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~
それから数日後──。
「し、失礼します。……鴨田です」
トントンとノックをして重い扉を開いた。
看護部長に"院長先生からお話がある"と言われて、慌てて院長室を訪れることになったのだけど。
まさか、私がこの扉を開けることになるなんて緊張するな。
「あの、この度は大事な息子さんとお付き合いをさせて頂いて…」
「知っている」
……そうですよね。院長先生とは家で1回会っているし、それ以前に知られてたもんね。
この院長室に入るのは始めてで、回りを見渡せば、賞状が沢山飾ってある(資格や博士関係の)。
立派な椅子に腰掛けて、偉そうに腕を組んでるから、怒ってるように見えるんだけど。いつもこんな顔だしなぁ。
もしかして、この間、カードでたくさんお金使っちゃったのが原因かな??どうしよう。でも、あれは春多くんが……
「あの、勝手にカード使ってごめんなさ……」
「予定日はいつなんだ?」
「えっ……?」
「赤ん坊の予定日だよ」
「あぁ、……2月です」
「国試の時期じゃないか」
「そ、そうですよね。大事な時期にすみませ……」
「いや、春多が立ち会えないかもしれなくて申し訳ない」
「…………へ?」