俺の子でいいよ。~不倫関係にある勤務先の医者との子か、一夜だけ関係を持った彼との子か分からない~



5年もたつのに誰かがまだ住んでいるみたいに綺麗だった。春多くんが定期的に掃除して管理してたのだと思う。

その部屋の整理を手伝って欲しいと頼まれたのだけど、お母さん生きてるんだから、別にそのままでもいーんじゃないかなって思った。
けど、春多くん的に区切りというか、けじめをつけたいらしい。




「そうだ、あんた、アイツに余計なこと言っただろ?」

「えっ??な、なんのこと?」


この間、院長先生に呼び出しさた時の話だろうか。
何?そこの親子関係、意外に筒抜けなの?



「まぁ、第3者が入って冷静になれる事もあるし……」

「意外に仲良しなんだね!?春多くんとお父さん」


えへっとそう言うとギロっと睨まれたけど、親子なんだから話す機会が増えるのは悪い事じゃないと思う。
むしろ、もっとお互い本音でぶつかりあってもいいと思うんだけどな。




「あ、アルバム!春多くんの小さい頃のだ」

「うわ、懐かしいな」


ベッドの下の引き出しから出てきたのは、古いアルバムだった。
小さな春多くんがたくさん写真におさめられている。中にはお母さんと2人で写っているものもあった。


< 135 / 164 >

この作品をシェア

pagetop